薬剤師5大転職理由

薬剤師に必要なOTCの知識とスキルはどんなもの

 

現在ではセルフメディケーションなども推し進められており、国民がOTCを使用する機会は確実に増えてきています。

ドラックストアで勤務する薬剤師はもちろんのこと、調剤薬局や病院に勤務していたとしても、医薬品の専門家である薬剤師はOTCの知識やスキルを持っていなくてはなりません。

今回は、どのような知識を学ぶと良いのか、どのようなスキルがあるのかということをご説明させていただきます。

薬剤師として知っておきたいOTCの知識・スキルは何か

OTC医薬品は販売価格に対する利益率が高く、スイッチOTC医薬品、要指導医薬品、第一類医薬品を中心に数多くの医薬品メーカーが製造販売を行っています。

総合感冒薬を例に挙げれば、百種類以上のブランドが展開されています。

また、大手のドラッグストアなどではプライベートブランド品(PB品)が展開されていることも多く、全てのOTC医薬品を網羅することは不可能に近いでしょう。

まずは種類の少なく重要度の高い、スイッチOTCや要指導医薬品、第一類医薬品を学ぶと良いでしょう。

医療用医薬品との関係性も高く効果の強いものも多いので、相互作用などを考える際にも知識があることが必要となってくるのです。

アレグラ=アレグラFXのように名前が同じ場合もありますが、ジルテック=ストナリニZのように名前が全く異なる場合もあるので、注意が必要となります。

<画像引用元:佐藤製薬

緑内障や前立腺肥大の方には使えない薬がある


医療用医薬品を調剤する際に、既往歴相互作用は必ずチェックをしなくてはなりません。

緑内障や前立腺肥大をお持ちの患者様であれば抗コリン薬に注意をしなくてはなりませんが、OTCとして販売されている医薬品にも抗コリン作用を有する成分が含まれる場合があるのです。

例えばパブロンSゴールドWでは、クロルフェニラミンマレイン酸塩という成分が含まれるため、緑内障や前立腺肥大の症状を悪化させることがあるのです。

緑内障や前立腺肥大の方に販売する際には、漢方成分が主体のパブロン50を提案するなど、臨機応変に対応をしなくてはなりません。

調剤薬局においても、お薬手帳や聞き取りでこのようなお薬を服用していることがわかった場合には、医師に確認をする必要があるのです。

実際の現場で求められるOTCのスキルは何か

風邪症状の鑑別

実際の現場では、薬剤師が患者様の症状を確認して適切な医薬品を提案しなくてはなりません。

OTC医薬品を購入する患者様の多い疾患としては、風邪症状が挙げられます。

風邪とひとくくりに言っても、鼻水が多い風邪や咳がひどい風邪、熱が高い風邪など、患者様の体質や原因菌によっては様々な症状があるでしょう。

薬剤師はこれらを見極めたうえで、最も適したOTC医薬品を提案しなくてはならないのです。

そのためには、

  • OTC医薬品として用いられている成分にはどのようなものがあるのか
  • その成分はどのような効果を持っているのかということをしっかりと学びとる
  • どのOTC医薬品に含まれているのか

ということも覚えなくてはなりません。

また、患者様の症状がただの風邪ではなくインフルエンザや肺炎、気管支喘息など重篤な症状であった場合には、医療機関の受診を勧奨しなくてはなりません。
疾患をトリアージするスキルが必要となるのです。

皮膚疾患の鑑別

OTC医薬品を購入する患者様の多い疾患において、風邪症状以外で多いものとしては、皮膚疾患が挙げられます。

ドラックストアで働いたことのある方であれば、一度は患者様から皮膚の症状を見せられて、どの薬を使えばよいかを聞かれた経験があるでしょう。

症状に応じて、保湿薬やステロイド剤、抗ヘルペス薬など適切な薬剤を提案する必要があるのです。

重度のやけどや、有棘細胞癌などの重篤な症状の可能性がある場合には、こちらも受診勧奨をしなくてはなりません。

生活指導のスキル


ドラックストアでは、サプリメントや健康食品を販売しています。

これらをお買い求めになる患者様に対しては、適切なサプリメントを案内することに加えて、生活指導などができると良いでしょう。

例えば、便秘でお悩みの方であればマシニンや酸化マグネシウムの成分を含んだ医薬品をおススメするだけではなく、さらに食物繊維を摂ることの重要性、腸内環境の重要性などを説明しなくてはなりません。

お風呂でお腹のマッサージをすることや、一日にヨーグルトを200~400g程度摂ることで腸内フローラを整えるなど、具体的に提案が出来れば患者様の便秘の解消に貢献することができるのです。

組み合わせ販売のスキル


OTCのスキルの一つとして、「販売のスキル」が必要となります。
OTCを販売する際には、必要の無い医薬品をおススメすることはあってはなりません。

しかしながら、疾患を治療する為に必要な医薬品を組み合わせてご提案することは問題なく、患者様にとってもメリットのあることなのです。

例えば風邪の患者様に対しては、このような提案の仕方ができます。

  • 総合感冒薬のみを販売するのではなく、栄養ドリンクや貼るタイプの解熱シートをセットで提案する。
  • 次回の風邪のひきはじめに飲むことができる葛根湯を提案する。

このように、複数の商品を同時に提案することが出来れば、ドラッグストアの売り上げに貢献することができるでしょう。

ドラッグストアのオーナーは、このような販売のスキルを持っている薬剤師を必要としているのです。

OTCの知識を活用できる場面

OTC医薬品の知識が豊富であれば、処方箋調剤の服薬指導の際に患者様のQOLを向上させる提案をすることができるでしょう。

眼科の薬局であっても、患者様とのお話の中で肩こりに困っている場合であれば、
「○○という成分を含んでいる湿布をドラッグストアで安価で購入できるので、お使いいただくときっと良いですよ。」
と提案することが出来ます。

患者様は眼の治療と同時に、肩こりを解消することもできるので、非常にメリットがあるでしょう。

また、前述のように抗コリン薬などが併用禁忌となる疾患もあるので、市販の風邪薬を飲んでいるという患者様に対しては、適切な指導をすることもできるのです。

OTCを学べる職場とその代償は

ここまでご説明させていただいた通り、OTCを学ぶことは今後の薬剤師にとって非常に意義のあることです。
ではOTCの知識は、どのようにして学んでいけばよいのでしょうか。
また、OTCを学ぶことによる代償はあるのでしょうか。

OTCを学ぶにはドラッグストアでの勤務が近道


OTC医薬品は一部の調剤薬局でも取り扱っている場合がありますが、医師との関係もあり、あまり大っぴらに展開をしている調剤薬局は少ないと言われています。
ドラッグストアで勤務をして実際に多くのOTCに携わることが、OTCのスキルアップの近道と言えるでしょう。

ドラッグストアのパートという選択肢もあり

現在、ウエルシア薬局などの大手ドラッグストアでは夜間の薬剤師アルバイトを積極的に募集しています。

地域にもよりますが、21時~24時の勤務で時給3,000円など、好条件で募集されていることも多いです。

OTC医薬品の勉強の一環でお小遣い稼ぎにアルバイトをするということも、一つの選択肢として良いのではないでしょうか。

転職でスキルアップできるが、職場環境が変わるデメリットもある

調剤薬局チェーンではドラッグストアを有していないことがほとんどであるので、現在勤務している薬局の形態によってはドラッグストアへの転職も選択肢のひとつになってきます。

転職によって環境を変えることがメリットとなる場合もありますが、予期せぬデメリットも多いでしょう。

また、ドラッグストアでは調剤薬局に比べて給料が上がることも多いですが、その代償として勤務時間や勤務内容はより過酷なものとなるでしょう。

調剤とOTCを半々で経験出来れば良いのですが、会社の都合によっては調剤から完全に離れてしまう場合もあるので、調剤の勘を失ってしまうこともあります。

まとめ

OTC業界は成長産業であり、薬剤師にとってもOTCはまだまだブルーオーシャンであると言われています。

薬剤師のスキルアップが患者様のQOLの向上に直結するので、やりがいもあるでしょう。

現在勤務している薬局規模や形態によっては、ダブルワークや転職などの手段をとる必要があるので、今後のキャリアを見据えて様々な方法を検討してみて下さい。


 
 
 
 

「OTC」の知識・スキル以外にも、在宅やかかりつけ薬剤師としてのスキルなど、これからの薬剤師さんに必要なスキルはいろいろとあります。

それらスキルの詳細と、スキルアップする方法をこちらの記事にまとめました。
スキルアップに興味のある薬剤師さんは是非ご覧くださいね。
薬剤師のスキルアップ方法について~今後も生き残れる薬剤師とは~

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ヤス

製薬会社MR→ドラッグストア→調剤薬局と2度の転職を経験。 現在は都内の中規模調剤チェーンで管理薬剤師をしています。調剤業務だけでなく、地域活動や講演活動にも奮闘中。得意な科目は小児科と精神科、婦人科など。趣味はドライブとスノーボード。

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