薬剤師のお仕事データ

サンドラッグに転職するときに知っておきたいこと

 

薬剤師の転職先の選択肢の1つとして、大手ドラッグストアチェーンがあります。
ドラッグストアというと、とてもお給料が高いけれど、拘束時間が長かったり重いドリンクのケースを運ぶことが大変だったり、といったイメージがあると思います。

今回は、大手ドラッグストアチェーンの1つ、サンドラッグの特徴と働く薬剤師の実情について、筆者の経験を踏まえてお伝えします。

サンドラッグの企業情報

まず、サンドラッグの企業としての基本的な情報をお伝えします。

創業 1965年4月
売上高 5,880億円(2019年3月データ)
従業員数 13,220名(2019年3月データ)
店舗数 1,147店舗(2019年3月データ)

サンドラッグは、ドラッグストア業界屈指の大手チェーンです。
ドラッグストアの店舗を運営するサンドラッグの他、調剤をメインとしたサンドラッグファーマシーズ、新潟を中心として展開している星光堂薬局、北海道に展開しているサンドラッグプラスなど、様々なグループ会社を経営しています。

サンドラッグの特徴

サンドラッグの最も大きな特徴は、「1店舗2ライン制」という制度です。
店舗に2人の店長を置くという独自の制度で、登録販売者をはじめとする一般従業員の店長「店舗運営店長」と、薬剤師が就任する「カウンセリング店長」が存在します。

薬剤師がサンドラッグに転職したときに任される「カウンセリング店長」は、店舗の売り上げなどの数字を気にせず、お客さんの相談に乗って最適な医薬品や健康食品をカウンセリング販売する、という役割があります。

「本当はこのお客さんの症状にはこっちのお薬がいいけど、売り上げ的にはこっちを売りたいな」のような葛藤を感じずに済む、薬剤師としてはありがたいシステムです。

サンドラッグの実情

では、ここからは実際に勤務してみなければわからない実情についてお伝えします。
サンドラッグは大きな企業で様々な状況の店舗がありますが、どこの店舗でも概ね共通と思われることを紹介します。

教育システム


新卒薬剤師は、2週間ほど本社で入社時研修を行います。社会人としてのマナーから始まり、薬の知識、接遇を学びます。
中途入社の場合は数日間、サンドラッグの考え方や商品について入社時研修を行います。

サンドラッグは調剤薬局チェーンに比べてお客様第一の方針が強いため、集合研修では接遇を重点的に行う印象です。

また、入社時研修を終えて現場に出た後は、月1回薬や商品知識についての集合研修が行われます。
全国に店舗のあるサンドラッグなので、テレビ会議システムを用いて本社と各地方を中継で繋ぎ、研修を行います。毎回東京の本社まで行かなくて良いので、そこまで負担にはなりません。

また、集合研修に参加できない社員向けにテキストも用意されていますので、店舗状況などでどうしても参加できない場合も安心です。

研修認定薬剤師も、Eラーニングでの取得サポートがあります。調剤併設店舗に勤務している場合はぜひ利用してみましょう。

給与関係


サンドラッグはドラッグストアなので、調剤薬局などに比べて給与は高めの水準です。
新卒薬剤師でも初任給33万円から、中途入社の場合は経験に応じて、例えば30歳なら年収600万円以上です。
残業代は15分単位でつきます。

毎年コンスタントに昇給がありますが、これは直属の上司の評価値で大きく変わるので、上がり幅は人それぞれです。しかし、推売品を多く売ったなどの実績がある場合、大きく昇給することもあるようです。
ボーナスは夏と冬の年2回、2ヶ月分ほどずつ出ます。これも推売品を多く売ったなどで他の薬剤師よりも多くもらえることがあるようです。

役職手当は、管理薬剤師やマネージャークラスになるとつきます。管理薬剤師はその上で残業手当ももらえます。マネージャーはみなし残業となってしまいますが、その分マネージャー就任時の昇給はかなり大きいそうです。

住宅手当は基本的に出ませんが、独身マンションという制度があります。独身の30歳までの社員を対象に、月2万円の負担で借り上げマンションを支給してくれるという制度です。
30歳になったり、結婚したりすると引っ越さなければならないため、注意が必要です。

通勤手当は店舗までの定期券代が支給されるため、全額出ると考えて問題ないです。

キャリアアップ

サンドラッグは、調剤室を持つ店舗とOTC医薬品のみを扱う店舗があります。
調剤を学びたい場合は調剤薬局からスタートすることができますし、OTC医薬品を中心に学びたい場合はOTC店舗からのスタートとなります。

画像引用:サンドラッグ 採用情報

どちらの場合も、調剤とOTCを2年ずつ、またはどちらかを4年間専任で扱って、その後管理薬剤師へステップアップすることが多いようです。

その後にエリアマネージャーへの道もあります。また、社内公募で人事部や商品開発部に配置転換を希望することもできます。

福利厚生

福利厚生は有給休暇などの定番のものの他に、全国の宿泊施設に格安で宿泊できるリゾートトラストや、全国3か所にある専用保養所、社員懇親会などがあります。

有給休暇の取りやすさは店舗の状況による場合が多く、一概には申し上げにくいです。

筆者の勤務していたエリアは人員が潤っていたため有給休暇が取れましたが、他のエリアの薬剤師はほとんど取れなかったという声を聞いたことがあります。

サンドラッグに転職する際は、その店舗のスタッフがどの程度有給休暇が取れているか、確認したほうがいいでしょう。

女性薬剤師の働きやすさ


産休・育休は他ドラッグストアチェーンと同じく、問題なく取ることができます。

更にサンドラッグは独自のシステムで、育児休業延長制度を導入しています。これは通常子供が1歳の誕生日までの育休を、最大3歳までに延長できる制度です。
また、育児短時間勤務延長制度も導入しており、なんと子供が中学生になるまで時短勤務が可能です。

サンドラッグは、産休・育休を経て戻ってくるママさん薬剤師が多く、各々の生活に合わせて自由に時短勤務を利用していることが多かったです。

どんな年齢層が多いか

調剤併設店舗の薬局長・マネージャークラスは30代後半~40代の薬剤師が多く、OTC店舗の管理薬剤師は20代後半から幅広い年代の薬剤師がいます。

それ以外の勤務薬剤師は比較的若く、1年目、2年目の社員から30代前半くらいの薬剤師が多く配属されています。

離職率

サンドラッグは、調剤併設店舗に勤めている薬剤師よりも、OTC店舗に勤めている薬剤師のほうが多く離職するようです。
その理由は、やはり不規則な勤務が辛い、仕事が多く残業で疲れてしまった、などが多いようです。

特に結婚・出産を経験する女性には、夜遅くまでの勤務や医薬品の検品・陳列などの業務が負担になることが多く、店舗やエリアの状況によっては退職せざるを得ない場合があるようです。

調剤併設店舗の場合は、基本的に医療機関が営業している間の勤務になりますので、子育て中の女性には調剤併設店舗での勤務がオススメです。

どんな人が転職してくるか

サンドラッグは給与水準が高いため、より稼ぎたい薬剤師が転職してくる傾向が強いです。

OTC専任薬剤師の給与がもっとも高額ですが、その分仕事自体はハードなため、体力のある若い薬剤師が多いイメージです。
調剤併設店舗は、調剤を勉強したい薬剤師や、子育て中のママ薬剤師が比較的多いです。

サンドラッグの会社としての課題

サンドラッグは大手らしく、マニュアルが多く存在します。

マニュアルを守ることで社員を守る、と研修の際に担当者に伝えられたのはよく覚えていますが、他社と比較するとやはり多すぎると感じます。

お客さんや患者さんを長時間お待たせする要因にもなっているので、マニュアルの良さを維持しつつ業務効率を上げられたらもっと良かったと感じました。

その他


サンドラッグは全国展開していますので、全国転勤がある場合もあります。

しかし、入社時のコース選択でリージョナル社員(地域社員)を選択しておくことで、自宅から90分の範囲で勤務できるように調整してくれます。

実家の近くから動きたくない、家族がいるなどの場合はこちらのコースを選択するようにしましょう。
逆に全国転勤をして経験を積みたい場合は、ナショナル社員(全国社員)を選びましょう。

サンドラッグに転職するなら

店舗によって状況が様々のため、転職する際はどの店舗に配属される場合が多いか、そのエリアの薬剤師の充足度はどの程度か、可能な範囲で確認してから決断するといいでしょう。

エリアの薬剤師の充足度で、お休みの取りやすさや時間の融通がどのくらい利くのかなどが大きく変わってきます。

可能なら、勤務薬剤師にどの程度休めているか、激務すぎないか聞いてみることがいちばん確実です。転職エージェントを使う場合は、担当者にもしつこく確認しておくことをおススメします。

まとめ

今回はサンドラッグに転職を考えている薬剤師の皆さんに、できるだけリアルな声をお伝えしました。
サンドラッグは他社に比べて、「1店舗2ライン制」やマニュアルの多さ、長い育休や時短勤務など特色の多い企業です。

調剤とOTCは比較的自由に選択することができますので、どちらが得意で興味があるかによって選択してみるといいかもしれません。

求職中の薬剤師の皆さんが、良い職場に出会えるように祈っています。

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ユリコ

新卒時代は大手ドラッグチェーンで勤務した後、結婚・転居を機に地方中堅調剤チェーン薬局、個人経営の薬局、大手調剤薬局チェーンなどに転職を経験。現在はゆったりと調剤薬局でパート勤務中。趣味はディズニーグッズの収集。

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