今後の薬剤師

かかりつけ薬剤師制度ってあり?なし?薬剤師100人が感じた改善点

  • 2020.09.24

2016年に始まった、かかりつけ薬剤師制度。
あなたの薬局では、十分に活用できていますか?

聞くところによると、ノルマを課せられて困ったり、ストーカー被害に遭っている薬剤師さんもいるとか…。

一方でかかりつけ薬剤師制度のおかげで、仕事にやりがいを見いだせているという方がいるのも事実。

そこで、かかりつけ薬剤師制度をどう思っているのか、現場で働く薬剤師さん100人にアンケートを取りました!

  • かかりつけ薬剤師制度に賛成?反対?
  • 女性薬剤師がかかりつけになるときの対応は?
  • かかりつけ薬剤師で良かったこと、辛かったこと
  • かかりつけ薬剤師制度の改善してほしい点

これらのアンケート結果について、まとめながら解説していきます。

かかりつけ薬剤師制度に賛成の方も反対の方も、よくわからないという方も、ぜひ色々な薬剤師さんの意見を読んでみてくださいね。

対象者:薬剤師の男女100人
調査方法:クラウドワークス及びTwitterによるインターネット調査 1 2
調査期間:2020年7月22日~7月30日
アンケートの回答全文はこちら

かかりつけ薬剤師制度。あり?なし?

まずは、かかりつけ薬剤師制度に賛成か反対かをお聞きしました。
結果はこちらです。



薬剤師100人にアンケートを取った結果。(内訳 男性:45人 女性:55人)

予想はしていましたが、反対派が多いですね。
制度自体や会社ごとの取り組みにあやふやな部分があり、本来の制度を活かしきれないため反対という方もおられます。
以下でそれぞれのご意見も見てみましょう。

かかりつけ薬剤師に対する意見

賛成・反対・どちらでもないと回答した方の、ご意見をいくつか紹介します。
(長すぎる文章や読みにくい部分は、一部修正しています。)

かかりつけ薬剤師制度に賛成の方の意見

患者さんから信頼されて指名されることがモチベーションになるし、それに応えられるように努力を重ねていくことで自分自身のレベルアップにも繋がり、さらに患者さんに還元することが出来るから。(女性)

医療へのファーストアクセスがかかりつけ薬剤師となることで、未病予防から治療終末期までアドバイスができ、最適な医療を提案できる。
結果として社会保障費膨張は抑制できるため本制度には賛成だ。(男性)

必要な患者に必要な管理・指導を行い、それに応じた報酬をもらうのは妥当だと思うから。
実際、この制度に満足している患者も多数おり、業務を通じて制度の必要性・重要性を実感している。(男性)

多くの高齢者は複数の医療機関を受診しているが、各病院・クリニックで使用中の薬を把握できずに、重複処方や併用禁忌、腎・肝機能などの検査値を無視した処方がなされている現実がある。
そうした中で、かかりつけ薬剤師を持ち、自身の薬を一元管理する必要を感じている。
また、将来的にリフィル処方箋が導入されるとすれば、かかりつけ薬剤師のような、当該患者のことを深く理解している薬剤師が必要だと考える。(男性)

賛成のほとんどの方が、高齢者や薬を多く服用している方の薬や体調を一元管理できることに価値を見出していました。
かかりつけとして指名をもらうことで、薬剤師としてのモチベーションや知識を高めることにも繋がりますね。
地域医療への貢献や医療費削減の観点からも、かかりつけ薬剤師の役割は大きいと言えます。

かかりつけ薬剤師制度に反対の方の意見

かかりつけ薬剤師の考え方は理想ですが、一人の薬剤師が24時間対応するのは現実的ではない。家庭を持つ主婦であれば、子供との時間も大切です。(女性)

勤務時間外に患者さんから電話があっても薬歴を見れないので、適切に対応出来ない可能性があるし、個人の携帯電話の番号を患者さんに伝えて就寝中の電話が続くと、日常業務に支障を来すと思う。
かかりつけ薬局で十分。
薬歴を丁寧に書いているのは、誰が見てもその患者さんのことについて理解出来るようにするためでは?
時には、他の薬剤師の視点も必要だと思う。(女性)

もともと、患者さんの薬の一元管理は薬剤師のやらなければいけない仕事である。ただ、制度として行うと企業として利益を重視する観点になりノルマなど薬剤師の働きにくさが出てしまうから。(男性)

薬剤師は女性が多く結婚妊娠等で転職が多いこともあり、一人の薬剤師を定めること自体無理があるように感じる。
自分が患者側として考えた場合、よほどの信頼関係がない限り一人の薬剤師しか選べないのはその人と合わなかった場合デメリットしかない。
その割に薬剤師側の精神的な負担が大きいし、ストーカー犯罪への発展が心配。(女性)

反対意見で1番多かったのは、24時間対応・個人情報を患者さんに伝えることの負担が大きすぎるという意見です。
確かにプライベートへの負担が大きく、働き方改革に逆行した流れと言えますね。
かかりつけ薬剤師制度が十分に機能していないため反対という意見や、元々無料でやっていたことでお金をもらうのは申し訳ないという意見も複数ありました。

かかりつけ薬剤師制度に賛成でも反対でもない方の意見

本来はかかりつけ薬剤師があったほうが良いと思うが、患者さんは制度を理解できず、かかりつけがいても結局他の薬局の薬剤師に相談していることが見受けられるから。(女性)

24時間体制じゃなく、費用が発生しないなら賛成(男性)

独居の高齢者などの増加により、薬剤師の担当を決めて薬剤管理を徹底することの必要性も感じますが、自己負担のない患者様を狙って担当をつけたり、同意のあやふやなままかかりつけ薬剤師の算定をとっているケースもあるのが現状です。
またかかりつけ薬剤師をしている薬剤師の立場としても、危ない目や気持ちの良くない事例に出会ってしまうこともありました。(女性)

女性薬剤師として男性患者に対してかかりつけをとることに葛藤がある。
また性別が逆のパターンにおいてもストーカー化する恐れがあるため。患者の利益になる事は努力したいが今のままの形ではストーカーが増えそう。(女性)

かかりつけ薬剤師にメリットはあるけど、そのメリットを活かせてないのでどちらでもないという方が多かったです。

算定を取ることが目的になったり、薬剤師個人の負担が大きくなり過ぎたりすることが、かかりつけ薬剤師制度を活かす弊害になっていますね。

ストーカー被害などの不安があり、一概に賛成とは言えないという方もおられました。
ストーカー被害については、以下で詳しくお伝えします。

女性薬剤師がかかりつけ薬剤師になることによるストーカー対策は?

最初のアンケート結果を男女別にすると、以下のようになります。



女性で「どちらでもない」と回答した方の中には、「制度は良いと思うけど、ストーカー被害が不安なので賛成しにくい」という方が複数おられました。

女性薬剤師のストーカー被害は、かかりつけ薬剤師制度ができる前からいくつか報告がありました。
筆者の身近にも、患者さんに後をつけられた方がいます。

かかりつけ薬剤師になることで、薬剤師は24時間連絡の取れる携帯電話の番号を患者さんに開示する必要があります。
それによるストーカー・付きまといの不安は、かかりつけ薬剤師制度ができた当初から危惧されていました。

今回のアンケートでも、実際にかかりつけ薬剤師制度によるストーカー事例についてご回答いただきましたので紹介します。

かかりつけ薬剤師制度によるストーカー被害の事例

【事例1】
高齢の男性患者さんです。
かかりつけ薬剤師の女性に対し、手がキレイと褒めて触ってきました。
処方せんがなくても3日に1度ほど薬局に相談に来ており、薬が足りないとクレームをつけることもしばしば。(在庫は合っているが納得せずなかなか帰らない。)

処方せん持参時以外も来局してかかりつけの女性薬剤師を呼び出すので、かかりつけを男性薬局長に変更しました。
しばらくは女性薬剤師がいるかしつこく確認していましたが、しばらく経つと諦めたようでした。

【事例2】
30代の男性患者さんで、精神疾患と障害を持っている方でした。
調子が良い日は普通ですが、悪い日はかかりつけの女性薬剤師に異様に興奮している印象でした。鼻息が荒くなり、目が充血し怖かったです。
かかりつけの女性薬剤師に聞いたところ、夜中に何度も電話してきたり、その薬剤師が近くのフードコートで昼食を取ることを知ってからは昼ごろに薬局近くをウロウロするようになったそうです。

店舗で話し合い、その患者さんに対応するのは基本的に男性薬剤師で、男性がいない場合には年配の女性薬剤師が対応することになりました。
その後かかりつけは解除になりました。

【事例3】
60代の男性患者様で、軽い統合失調がある方でした。

飲み忘れが多くご自身で薬を管理するのが難しい状態だったので、30代の女性薬剤師がかかりつけ担当となり、残薬調整や他院併用薬との管理をさせて頂くこととなりました。
最初は来局により残薬等をご持参いただいていましたが「こちらはかかりつけ薬剤師に料金を払っている。」と、ご自宅への訪問を求められるようになりました。

何度か訪問する内に女性薬剤師に好意を抱いたのか、私用携帯電話の番号を聞いてくるようになったようです。
女性薬剤師は担当の患者様ということもあり、断る事が出来ず番号を教えたところ、私用な遊びの誘いの連絡を何度も受けたようです。

その後上司への報告があり事態が発覚したため、男性かかりつけ薬剤師への交代&在宅医療への算定切り替えの説明を行ったところ、その後は同患者から処方せんは来なくなりました。

現場の薬剤師100名へのアンケートで3件のストーカー・付きまとい事例が出るということは、全体で見てもそれなりの件数が発生していると考えられます。
男性薬剤師が被害を受けることもありますが、やはり女性薬剤師の方が被害を受けやすいようです。

女性薬剤師へのストーカー対策は行っている?実際の対策も紹介

上記のような女性薬剤師へのストーカー被害を防ぐため、薬局で対策をしているかどうかもアンケートで伺いました。



かかりつけ薬剤師制度自体を積極には取り入れていないという薬局も少なくなく、女性薬剤師への特別な対応はしていないと回答された方が大半でした。

女性薬剤師・男性薬剤師と区別せず、そもそも薬剤師個人の意向を確認しているという薬局もあるようです。
男性薬剤師でも24時間対応が難しい方はいますし、良い対応ですね。

女性薬剤師への特別な対応があるという方の、回答をいくつかご紹介します。

女性薬剤師へのストーカー対策事例

  • 医療依存度が高く介入が必要と判断した場合のみ、かかりつけ薬剤師の提案をしている。
    万が一、問題に発展した場合は、当該患者に対し、厳正に対処し、女性従業員の保護を最優先としている。
  • 事前にかかりつけとなった薬剤師以外も対応する可能性があることを説明しています。患者様からの女性薬剤師への関りが仕事の範疇を超える前に、電話対応などを男性薬剤師が行うこともあります。
  • 男性患者へ積極的にかかりつけを取りに行かない。
  • 女性薬剤師は女性の患者に限定。

かかりつけ薬剤師への対応に限りませんが「ストーカー対策として、苗字のみを大きく表示し、名前を小さく記載するなど、簡単には見えないように表示している。」という方も。

気に入った店員などの名前をFacebookで検索して声をかける方もいるようなので、フルネームを表示しないのも有効ですね。

会社は対策してくれないので、自衛するしかないという悲しい意見もありました。
患者さんを守るための制度が、薬剤師を犠牲にするものではないように、各社対応して欲しいですね。
もちろん過剰な付きまといやストーカー行為は犯罪ですので、もし被害を受けている女性薬剤師さんがいたら警察に相談しましょう!

かかりつけ薬剤師をしていてよかったこと・辛かったこと

最初の「かかりつけ薬剤師制度に賛成?反対?」のアンケートを、また別の視点からまとめてみました。



この結果を見ると、かかりつけ薬剤師の経験がある方は比較的制度に賛成している方が多いですね。

大変ではあるけど、やりがいを感じられているということかと思います。

経験があるが反対という方は、制度による負担を大きく感じているということですね。

ただ、かかりつけの経験がないのに反対している人が、制度に反対だから実践していないというわけでもないですよ。

会社としてかかりつけをそこまで推進していない薬局もありますし、家庭の事情で24時間対応が難しい方もおられます。
単純に仕事とプライベートは分けたいと考えるのも、もちろん間違っていません。

以下ではかかりつけ薬剤師の経験がある方に限定して、かかりつけ薬剤師をしていてよかったことや辛かったことを伺ったご回答を紹介します。

かかりつけ薬剤師で良かったこと

  • 患者様の体質を把握することで、患者様から信頼され安心を提供できることで、医療に携わっている実感が湧く。
  • 患者さんとの信頼関係が築けて、患者さんから頼られた。私がかかりつけ薬剤師として、患者さんの健康問題を解決できたときに喜んでもらえた。
  • 対象患者を取り巻く医療チームの一員として、看取りまで介入できたこと。
  • 全ての薬を一元で管理できるので、他科目受診されている患者さんの状態をより複合的に把握でき、残薬調整や飲み合わせ、禁忌の確認がスムーズに行えること。
    「やっぱりあなたに相談して良かった」と言って頂けるのが、何よりも嬉しくて日々の励みになります。
  • 何度も説得し残薬調整をさせてもらうことになった時、自宅にある薬を持参してもらったら新旧の一包化が混在しておりきちんと服用できていないことが判明した。
    かかりつけの対応でないと発見、解決できない問題が多数あると実感している。

かかりつけ薬剤師経験者の良かったことは、皆さん同じく患者さんのために行動できたことでした。
薬剤師としての職能を最大限に発揮し、より良い治療ができるようにサポートできるのが、かかりつけ薬剤師制度のメリットですね。
大変な仕事ですが、患者さんから感謝されると「頑張って良かった。」と思えているようです。

かかりつけ薬剤師で辛かったこと

  • 会社が社用携帯の購入をしてくれないため、個人の携帯番号を記載して患者に教えなくてはいけないのが嫌だった。
    また、休みも、かかりつけの患者さんの来客に極力合わせているのでとりづらい。
  • かかりつけの患者様が来局した際は、自分自身の業務を一度中断して対応しなければなりません。担当の患者様が増えれば増えるほど、自分の首を絞めてしまいます。
    一方で会社からは算定件数や同意の数のノルマはあるものの、自分自身の給料には反映をされないので、不満は募ります。
  • 幼児の子育て中なので、正直、時間外の対応は辛い。
  • 24時間に不服ではないが、それをするならその拘束されている時間に見合った賃金が支払われるべきだ。
    患者は24時間をいい事に夜中に人生相談の電話をしてきたり、食事に誘われたりと何か異なる方向に悪用されるのも、精神的な苦痛を伴います。
  • 会社からかかりつけ薬剤師の新規契約を毎月1人5人ずつ結ぶよう言われており、患者のためなのか会社のためなのかわからない。
    ノルマになっている。

やはり24時間に対応は負担が大きく、辛いとおっしゃる方も多かったです。
24時間対応に対し十分な対価が支払われていないのも、不満の理由となっています。
本来必要な患者さんに対応できる薬剤師のみが提案すべきはずなのに、会社がノルマを課しているのは正直おかしいですね。

かかりつけ薬剤師制度の改善してほしい点は?

最後に、かかりつけ薬剤師制度を改善するなら、どのような点を変更して欲しいか伺いました。
ご回答が多かった順に紹介していきます。
(※複数回答可)

1位 算定要件を緩和して欲しい 21人

  • 薬局勤務経験や勤務時間、勤務先の薬局の在籍期間などに制限がある所を改善してほしいです。
    新人の時こそ一人一人の患者さんを大事にしてほしいし、深く関わることでその患者さんの病態や飲み合わせなどの勉強にもなると思います。
    現状かかりつけ薬剤師をやりたくてもできない、という方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
  • そもそもほぼ同じ曜日に来る患者に対してのかかりつけ薬剤師なのだから、連絡さえ取れるようにすれば問題ないと思うので、勤務日数の限定を無くしてほしい。
    (週32時間という要件に該当しない)週2日や3日勤務の薬剤師や、チェーンであちこちに行く薬剤師でもかかりつけになれるようにしてほしい。
  • 現在、経験年数の制限でかかりつけ薬剤師ができない。しかし実際は患者に指名され、受診している医療機関の処方を一元管理している。
    薬局勤務経験があれば必ずしも薬剤師として優秀というわけではないため、経験年数の規制緩和はしても良いのではないか。
  • 認定薬剤師を取得していなければいけないのは何故か分からない。
    女性は、出産や子育てで認定を維持することが難しいタイミングがあると思う。
    女性が多い薬局業界では、難しい要件だ。

同率で1位だったのは、算定要件を緩和して欲しいという回答でした。
特に「同じ薬局に12ヵ月以上勤務」「週に32時間以上勤務」というルールは、チェーン薬局の薬剤師やパート薬剤師にはクリアが難しい要件です。
国としてかかりつけ薬剤師制度を推し進めるなら、要件の緩和を検討して欲しいですね。

1位 かかりつけ薬剤師ではなくかかりつけ薬局にして欲しい 21人

  • かかりつけ薬剤師ではなく、薬局単位で対応すべきだと思います。
    全ての医療機関の処方箋を一つの薬局で対応する、情報を共有し信頼できる薬局の一員として参加したいです。
  • 薬局内の何人かで1人の患者を受け持ってよいようにしてほしい。
    1人の患者の処方を複数で見る薬局の特性を活かすべきだと思う。
    チームで1人を診ることで、患者さまにもメリットを提供できるし薬剤師のスキル向上につながると思われる。
  • 現行だとやましい思いをもった患者が、若い女性薬剤師に昼夜問わず何度も連絡できることになり、更には出勤している日や時間帯まで全て把握できてしまう。
    これは薬剤師単体ではなく、かかりつけ薬局として患者には登録する形にすれば良いかと思う。
  • 患者と薬剤師の関係が近くなるほど、他の薬剤師が遠慮して当該の患者への関わりが少なくなり、ブラックボックス化してしまう可能性も考えられる。
    複数の薬剤師の視点も大切だと思う。

1人が1人の患者を受け持つより、薬局単位で管理する方が効率的だし個人のプライバシーが守られるという意見も多く見られました。

情報を共有し多くの薬剤師の意見を取り入れるための薬歴を、上手く活用できれば難しくないですね。
薬剤師個人に対する負担も、小さくなるでしょう。

3位 24時間対応 15人

  • 人間なので就寝中に電話がくると出れないこともある。
    そもそもクリニックもしないのに、なぜ薬剤師だけ長時間労働・24時間体制を求められるのか。薬剤師も人間なので休みは休ませてほしい。
  • 365日24時間の電話対応は正直、負担が大きい。特に少人数の薬局では当番制が難しく、プライベートな旅行の際にも対応することとなる。
    薬歴の持ち出しシステムもないので、対応に困ることも多い。
    夜間、早朝に緊急性のない電話がかかってくることが頻繁にあるとストレスを感じる。
  • 24時間プライベートな時間まで対応しないといけないことは改善してほしい。
    夜中に眠れないときに相談できる相手が欲しいからかかりつけになってほしいと後輩が言われてて戦慄しました。

4位 ストーカー対策をして欲しい 11人

  • 連絡先を教えるなど、女性にとって危険な場合が多い。
    何かあったときに警察と連携できるなど患者さんに先にけん制するような情報を伝えるべき。
  • 医師であろうと看護師であろうと薬剤師であろうと、1人で患者様の自宅に入るということに世の中の管理者はもっと考えるべきだと思います。
    1人だと何のクレームをつけられても回避が難しいです。
    上の人達はできるだけそういったトラブルを事前に回避するシステム作りをしてあげるべきだと思います。
  • 女性だけでなく、男性であってもストーカー被害はあり得るため、対策を各会社や薬局に委ねるのではなく、制度として薬剤師個人を守るものにしてほしい。

現行のかかりつけ薬剤師制度は、1人の薬剤師への負担が大きすぎるものです。
24時間365日の対応や、個人のシフトや携帯電話番号を開示するシステムを変更して欲しいという回答が多く見られました。

5位 患者負担を減らして欲しい 9人

  • 契約時にお金がかかることを説明するのが気が引けます。
    金額が薬剤管理指導料とあまりかけ離れた金額でなければ、契約の説明もしやすくなるかと思います。
  • かかりつけ薬剤師の契約をすることで患者の一部負担金が上がってしまうことが、かかりつけ薬剤師の提案をすることに二の足を踏んでしまう。
    金額が発生しないように制度を変更して欲しい。

6位 手当を出して欲しい 6人

  • チェーン店舗ではかかりつけ薬剤師になっても負担が増えるだけなので、なりたいとは思えなかった。
    薬剤師個人にかかりつけ薬剤師の手当てがあればやろうと思えるかもしれない。
  • かかりつけ薬剤師手当てが無い会社も多いかもしれませんが、必須だと思う。
    むしろ患者数に応じて手当てを増やす仕組みでないと報われない。

患者さんの負担が大きく、提案しにくいという声も。
その割に薬剤師に対する手当がない会社も多く、割に合わないと感じる方が多いです。
患者さんも薬剤師も、金銭面で不満が出ない制度になれば良いですね。

7位 もっと正しく制度を利用するようにして欲しい 6人

  • 患者ひとり当たりで点数を設定するのではなく、相談一件あたりで報酬が出るようにして欲しい。そうすれば、会社側が無理にかかりつけを契約するように圧力をかけることもなくなるのでは?
  • 大手の調剤薬局では、ただ薬局のノルマをこなす為に、理解が薄い年配の患者さんを説得したり、お会計がない小児の患者さんにはじから声をかけたりしているのが現場の現状かと思います。
    具体的には難しいですが、かかりつけを本当に望んでいる患者さんに役に立つ制度になるよう、改善が必要だと思います。

7位 かかりつけ薬剤師制度は不要 6人

  • 基本的にかかりつけ薬剤師は必要ないと思っているので制度自体無くしたほうがいいと思います。
  • 「かかりつけ薬剤師」は患者との信頼関係のうえに成り立つものなので、制度自体に反対です。

契約件数を会社がノルマ化し、十分にかかりつけ薬剤師制度のメリットが発揮できていない場面も多く見られますね。
そもそも制度がなくても患者さんの薬を管理するのは当然なので、制度自体不要という声もありました。

9位 算定点数を上げて欲しい 4人

  • もう少し高い点数が算定できると薬剤師もやる気が出て患者さんに積極的にかかりつけ薬剤師に患者さんを指名してもらえるように、声掛けをするのではないかと思います

10位 担当患者数を制限して欲しい 2人

  • 患者数が多いとかかりつけの意味も無くなるので。患者さんにとってメリットがある、かかりつけの制度としてほしい。

その他の回答

  • >患者とのある程度の信頼関係ができてこそのかかりつけ薬剤師であるので、新患でいきなりかかりつけになったりするような行為はやめさせるべきだと思う
  • 医師からの情報提供に関する要件を追加して欲しい。
    例えば患者がかかりつけ薬剤師を選んでいる場合、医師は薬剤師に対して診療情報提供書やそれに準ずる情報を提供しなければならない。のようなもの。
    薬剤師のみの行為要件ではなく、医師をはじめとした他職種にもなんらかの協力を半強制化し、情報提供する側の他職種にもインセンティブが付くような、地域包括ケアシステム構築を加速させるような設計が望ましい。
  • かかりつけ契約の更新制度が欲しい。
    一度契約すると解除をするタイミングがほぼなく、なあなあになりやすいのと、患者から契約解除とは言いにくいため。
  • 美容院のよう指名料で算定するようにして欲しい。
  • 医師、病院に対して、患者から得た情報をフィードバックする仕組みが不足しているように思う。

今回現場で働く薬剤師100人に回答いただき、「現行のかかりつけ薬剤師制度に不満はない。」という方は1人もおられませんでした。

「かかりつけ薬剤師をしていて辛いことは何もない。あなたにお願いしたいと言われるのは薬剤師冥利に尽きる。」と言っている方も、制度自体には改善の余地があるとおっしゃっていました。

制度に不満を持つ薬剤師さんは多く、中には制度自体不要という方も。

とは言え患者さんの薬や状態をよりしっかりと薬剤師がサポートするシステムは大事なので、もっと良い制度になるよう期待したいですね。

まとめ

今回のアンケートからわかった、現場の薬剤師のかかりつけ制度に対する意見をまとめると以下のようになりました。

現場の薬剤師のかかりつけ制度に対する意見まとめ

  • 今のかかりつけ薬剤師制度には反対の薬剤師が多い
  • 一部の女性薬剤師がストーカー被害を受けている
  • かかりつけ薬剤師で良かったことはやりがいが大きいこと
  • かかりつけ薬剤師で辛かったことは負担が大きいこと
  • かかりつけ薬剤師算定要件緩和やかかりつけ薬局への変更が望まれている

当初から筆者の周りではかかりつけ薬剤師制度に対する不安が大きく、現在も負担に感じている方が多いです。

でも今回のアンケートにより、かかりつけ薬剤師制度を有効に活用し、患者さんとのコミュニケーション向上や地域医療への貢献へ役立てている方もたくさんいることがわかりました。

ただし今のかかりつけ薬剤師制度に、問題点が多いのも事実。

算定要件が厳しくかかりつけをやりたくでもできない薬剤師が多いし、24時間365日の対応は無理があります。
ノルマ達成が目的になり、本来のかかりつけ薬剤師制度のメリット発揮できていない薬局も。

患者さんを守り医療の質を向上させる制度は大切ですが、同時に医療者である薬剤師にも目が向く制度であって欲しいですね。

かかりつけ薬剤師として対応に悩んでいる薬剤師さんにとって、今回のアンケート結果が参考になれば嬉しいです。

制度に縛られず、薬剤師が無理のない範囲で、患者さんの健康を守れる体制ができると良いですね。

参考 アンケートの回答全文をご覧になりたい方はこちら

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三上小夜香

三上小夜香

大手調剤薬局に勤務後、転勤族であるMRとの結婚により退職。結婚後はしばらくパートで働き、派遣薬剤師に転向。妊活に専念するため退職し、現在は子育てとライターの兼業中。趣味はゲームとネットサーフィン。
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