薬剤師5大転職理由

薬剤師の残業なし求人の探し方・決定版【調剤薬局編】

 

調剤薬局は薬剤師の職種の中でもワークライフバランスの優れた職種と言われます。

では調剤薬局であればどこでも残業がないかというと、断じてそんなことはないでしょう。
私は今でこそ中小の面対応薬局で一薬剤師として働いていますが、かつては大手調剤チェーンでエリアマネージャーとして多くの薬局を見てきました。
多くの薬局を見てきて感じたのは、調剤薬局でも残業はあり、その原因には様々な要素があるということです。

そんな私の経験をもとに、調剤薬局薬剤師の残業なし求人の探し方についてご紹介したいと思います。

残業なし求人の探し方

転職サイトによっては「残業なし」「残業月10h以下」という求人の検索項目があります。


画像引用元:マイナビ薬剤師公式サイト

この「残業なし」「残業月10h以下」求人を選べば、残業なしの調剤薬局に転職できるのかというと、私としては多くの疑問が残ります。
転職エージェントといえども、転職先の薬局のことを全て把握しているわけではないからです。

例えば、「病院・クリニックの“診療終了時間”と“薬局の閉局時間”が近いと残業が増える」なんてことまで把握している転職エージェントはいるでしょうか?

私が転職する際に、転職エージェントに「病院・クリニックの“診療終了時間”と“薬局の閉局時間”の差」について聞いてみたところ、はじめは怪訝な顔をされました。
その理由を説明したところ、「そう言われればそうですね、勉強になります!」と言われた始末です…

残業なしの調剤薬局の求人を探したいのなら、転職エージェントに全てを頼るのではなく、ご自身でも残業のない薬局・少ない薬局の特徴を知ることをオススメします。

転職エージェントは転職のプロかもしれませんが、調剤薬局の仕組みまで詳しく知っているわけではありません。やはり薬局のことを一番知っているのは現場で働いている薬剤師です。
大手のエリアマネージャーとして多くの店舗を見てきた私の経験から、残業なしの薬局・残業の多い薬局の特徴を以下にまとめました。

調剤薬局の残業の原因は何か

調剤薬局において残業を発生させる原因は大きく分類すると、次の2種類に分けることができます。

残業を発生させる原因

  • 薬剤師確保のための企業戦略
  • 個々の店舗の職場環境

その企業全体の特徴として残業が多いかどうかは、その企業が薬剤師確保のためにどのような配慮をしているかどうかにかかってきます。

一方で、残業時間の多さが店舗単独の理由による場合は、その店舗の職場環境が残業の原因となってきます。

それら残業の原因と考えられる要素を次の表にまとめました。
それでは、見ていきましょう。

残業なしの調剤薬局チェーンの特徴

残業なしの企業、残業が多い企業にはどんな特徴があるでしょうか。
確認したいポイントは次の8項目です。

*表は横にスライドして見ることができます。

原因 残業なしの調剤薬局チェーン 残業の多い調剤薬局チェーン
店舗展開 ドミナント展開(3店舗以上)
人口密集地ならより良い
広域あるいは地方展開
(過疎地域)
通勤 片道60分未満 片道60分以上
ホームページ ホームページが充実している ホームページがないか充実していない
年齢構成 30~40代がいる 30~40代が少ない
(20代、50~60代中心)
形態 非上場
役員に薬剤師がいる
上場
役員に薬剤師が少ない
産休育休社員 産休・育休の社員が少ない 産休・育休の社員が多い
退職金 あり なし
ヘルプ 本部から薬剤師ヘルプ可能 不可か他店舗からのみのヘルプ

 

残業なしの調剤薬局チェーンを選ぶ上で最も大切なこと

残業なしの調剤薬局チェーン最大の特徴は、薬剤師の安定確保を事業戦略の中核と考えているような企業です。
そのような企業であれば、どの店舗であっても安心して働けます。

そのような企業の特徴としては、

  • 特定の地域に集中出店している
  • 他店舗ヘルプが少ない

といった特徴がみられます。

他店舗へのヘルプが多いということは、それだけ離職率が高い、又は新規出店の計画が場当たり的で薬剤師の確保がうまくいっていない会社といえます。

そのような会社の求人で「残業なし」と言われても、にわかには信じられません。

一時的に残業が少ない時期はあっても、薬剤師が辞めたとたん、すぐに残業が増えてしまいます。

残業なしの店舗・残業の多い店舗の違い

次は、調剤薬局の各店舗の“職場環境の違いによる残業量の違い”を見てみたいと思います。
そのために確認するポイントは次の11項目です。

*表は横にスライドして見ることができます。

原因 残業なしの店舗の特徴 残業の多い店舗の特徴
処方箋枚数 一日40枚~50枚 一日50枚以上
処方箋の内容 技術料3000円未満
処方箋単価12000円以下
技術料3000円以上
処方箋単価12000円以上
かかりつけ薬剤師 月間算定数 薬剤師一人あたり10~30件まで 月間算定数 薬剤師一人あたり50件を超える
基準調剤加算 算定なし or 算定ありの場合は夜間休日電話問い合わせや緊急調剤が少ない 算定ありで、夜間休日電話問い合わせや緊急調剤が多い
施設調剤 なし あり
(老健は特に忙しい)
営業時間 病院・クリニックの診療終了時間と薬局の閉局時間の差が30分以上 病院・クリニックの診療終了時間と薬局の閉局時間の差が30分以内
設備投資 積極的
(電子薬歴・監査システム)
消極的
(紙薬歴・ワンチェック)
客層 中・高所得層の住む地域 低所得層の住む地域
薬剤師数 薬剤師3人以上 一人薬剤師
雰囲気 事務の愛想が良い 事務の愛想が悪い
その他 ジェネリック採用基準あり 開業三年以内

 

残業なしの調剤薬局はどんな店舗か

筆者の私見になりますが、残業なしで帰れる薬局かどうかの目安として特に大事なポイントは次の通りです。

残業なしの薬局の例

  • 処方箋枚数は1日40枚~50枚
  • 処方箋単価12,000円まで
  • 一包化頻度が低い
  • 施設調剤なし

このような薬局の求人ならば、残業なし・定時上がりで帰れるでしょう。

その理由は次の通りとなります。

施設調剤は残業の温床になりやすい

残業の有無を気にする際、施設調剤を応需しているかどうかは非常に重要なポイントです。施設調剤を応需しているがために、昼休みも満足に取れない薬剤師を多くみてきました。

最近行われた診療報酬改定の影響により、集中率緩和のために施設調剤を応需する薬局が増えています。それも大手を中心にです。

もし、施設調剤を応需しているのであれば、施設調剤と外来調剤の担当を分けるなど、十分な薬剤師の配置が必要です。

最終的に調剤薬局の残業量を決めるのは何か

実際薬局の業務の忙しさ・残業の多さを決めるのは、最終的に薬歴作成にかけることのできる時間です。

残業量・忙しさは、設備投資の有無、処方箋の内容、混雑時間で大きく左右されます。
1人当たり1日40枚程度の処方箋であれば、スキルさえあれば、業務負担はどの診療科も大差はありません。

処方箋枚数によらず、調剤と監査に時間がかかるほど、薬歴作成にかけることができる時間が短くなってきます。

そのような“調剤と監査に時間がかかる処方箋”の特徴は何かというと、処方箋単価12,000円を超えるかどうかなのです。

その理由については、別の記事で詳しくご説明をしています。よろしければご覧ください。

その他にも薬局の残業の原因となってくるものには、技術料の算定に対するノルマや設備投資、病院・クリニックの“診療終了時間”と“薬局の閉局時間”の差などがあります。
こちらの記事に詳しく説明していますので、合わせてご確認ください。

求人探しの際には、これらのポイントを転職エージェントに確認しましょう。必ずや残業なしの求人に出会えるはずです。

薬歴残業を減らすための工夫をしている求人の特徴

調剤薬局の残業を減らすためには、薬歴作成にどれだけ時間をかけることができるかにあることは先に述べました。
しかし、薬歴作成にかけれる時間が少なくとも、工夫次第で薬歴残業を減らせます

薬歴残業を減らすための工夫をしている調剤薬局も存在しますので、どのような薬局なのか実例をみてみましょう。
関西を中心に10店舗ほどを展開する中小調剤チェーンの例になります。

毎日150人くらいの患者さんが来ていましたし、眼科や皮膚科ではなく循環器や整形などから処方箋がきていたので忙しい薬局だと思います。

薬歴はもちろん溜まりますが、テンプレートなどを使ってどのように時間をかけずに情報を打ち込むか などの話し合いもしました。
1人投薬が終わり、その都度薬歴をスピーディーに入れる練習もしました。

立て込んできた時、患者さんが「早く薬を渡せ」と怒鳴ってきても笑顔で対応し、薬歴終わらせてから次の投薬、という様なルールも決めていました。

ですので、薬歴に関しての残業はあまりなかったと思います。

創意工夫を凝らし、薬歴残業を減らそうと努力している姿勢が見て取れますね。

この例から学べる、薬歴残業を減らすための工夫は次の2つと言えそうです。

  • テンプレートを用いて入力時間を減らす
  • 薬歴を溜め込まず、薬歴を終わらせてから次の投薬に移る

この2つのやり方が全てではありませんが、薬歴残業を減らすための工夫をしているかどうかは、残業なし求人を探すための大切なポイントになります。
入社前の面接や職場見学で確認しておきましょう。

転職サイトを利用した残業なし求人の探し方

残業なしの調剤薬局に転職したいのなら、マイナビ薬剤師の利用がオススメです。
実際に私もマイナビ薬剤師を利用して残業なしの薬局に転職を成功させることができました。

マイナビ薬剤師が保有する公開求人数の実に1/3近くが残業月10時間以下の求人です。
残業なし求人の保有数においては、マイナビ薬剤師がNo.1です。

今回の記事でご紹介させていただいた残業なしの薬局の特徴については、転職エージェントといえども全てを把握していません。

しかし、マイナビ薬剤師のエージェントは、わからないことがあった場合には、「次の面談時までに調べておきます。」といった感じですぐに自分で調べてきてくれます。
実際にその店舗に足を運んでいるからこそ、その薬局のことについてもすぐに調べることができるというわけです。

筆者が転職なしの薬局に転職した方法

私の場合、まずは「年収」「通勤時間」「配属店舗の残業の少なさ」この3つを第一条件としてマイナビ薬剤師に伝え、求人を探してもらいました。

この条件で転職先の候補を絞った後、第2段階としてにそれぞれの会社の出店計画、つまりは「一定距離内での店舗展開の規模と人員配置」を確認しました。
エージェントに「転職先候補の会社の出店計画を重視している。出店計画がいい加減な会社は人事もいい加減な会社が多いから。」
というのを伝え、それぞれの会社の出店計画を調べてもらいました。
マイナビ薬剤師のエージェントはフットワークも軽く、自身が把握していないこともすぐに調べてくれたので、大いに助かりました。

ただ、転職するのにその会社の「出店計画」を気にして転職先を探している薬剤師には初めて出会ったみたいで、驚いてはいましたが(笑)

その他にも、

  • 人材を確保しやすそうな立地か
  • 配属店舗で応需している処方せんの構成
  • 処方せん発行元の診療時間

これらも気にしながら求人を吟味しました。

最終的に現在の会社が候補に残り、面談を受けることにしました。
面談時には、処方せん単価設備を確認しました。処方せん単価は現場に行かないと教えてくれないですし、設備は現場で見ないと分からないからです。

面談時に確認した結果「問題なし」と判断し、転職することにしました。

結果、転職は大成功!

年収こそ下がったものの、時間単価はアップしたので満足しています。
残業が減ったことでワークライフバランスも充実し、家族との時間も確保できています。

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調剤薬局薬剤師の残業なし求人の探し方 まとめ

調剤薬局薬剤師の残業なし求人の探し方はお分かりいただけたでしょうか。

調剤薬局の残業時間というと、一般的には処方箋枚数や薬剤師の数を指標にされることは多いです。
しかし、同じ処方箋枚数であっても、今回挙げた項目の内容次第では、調剤薬局の残業時間は大きく変わってくるのです。

残業なしの求人を探す際には、これら求人の詳細な情報をしっかりと理解した上で、求人を探すことをオススメします。

残業なしの調剤薬局というのは、離職率の少ない薬剤師として働きやすい調剤薬局ともいえるのです。
本記事が、そのようなワークライフバランスのとれた、働きやすい調剤薬局への転職の手助けになれば幸いです。

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イッシー

イッシー

病院薬剤師から調剤薬局に縁故採用で転職するも、とんでもないブラック企業だったことが判明。その後薬局を立て直して大手に売却。エリアマネージャーまで昇格するも、ワークライフバランスを見つめ直し、中規模調剤チェーンに転職。(そのときの転職体験談はこちら)現在は面対応薬局で患者様への服薬指導に全力を注ぐ。

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