薬剤師5大転職理由

調剤薬局の残業時間と処方せん単価の関係

 

調剤薬局の残業時間と処方箋単価に相関関係があるって知っていましたか?
残業の少ない調剤薬局に転職したい、処方箋枚数や薬剤師数を気にする薬剤師さんは多くとも、処方箋単価まで気にする薬剤師さんは少ないのではないでしょうか?

いくつかの薬局のデータを比較してみた結果、調剤薬局の残業時間と処方箋単価に相関関係があることがわかってきたのです。

そこで今回は、調剤薬局の残業時間と処方箋単価の関係についてご説明したいと思います。

残業なしで帰れる処方せん単価の目安

筆者の私見にはなりますが、いくつかの薬局のデータを比較して出した結論は次の通りです。

残業なしでも帰れる調剤薬局は、処方せん単価が12,000円までの薬局である。

調剤薬局の残業時間は、「薬歴記入の時間を圧迫する業務」が多いと増えてきます。
処方せん単価が12,000円を超える薬局というのは、薬歴記入の時間を圧迫する業務が多い薬局になります。

以下にその理由を述べていきたいと思います。

処方せん単価と技術料の関係

残業なしでも帰れる目安が、処方せん単価が12,000円である理由を考えるにあたり、まずは処方せん単価と技術料の関係を見てみましょう。

国の制度上、処方せん単価はいくら高くなっても、技術料は一定の金額内に収まるように出来ています。薬剤料が高く、技術料が低い場合は、処方せんの内容により、忙しくならない場合があります。

逆に、薬剤料は安くとも技術料が高い場合は、一包化が多い場合が多く、調剤の手間がかかります。薬歴記入の時間を圧迫し、残業が増えてきます。

調剤の手間は、技術料を見るとおおよその見当がつき、技術料が高い薬局は残業が多いです。

表1に、いくつかの薬局の処方せん単価と技術料の関係を示しました。考察してみたいと思います。

表1.処方せん単価と技術料の関係


注:平成27年のデータ。超高額な薬剤費は除外しているため、“補正”としています。

処方せん単価12,000円が残業発生の目安になる理由

この表よりわかるのは、B(面分業店+施設調剤)、C(内科+施設調剤)、D(精神科)のように処方せん単価が12,000円付近になると、技術料が3,000円を超えるケースが出てくることです。

技術料が3,000円を超えてくる薬局の特徴としては、

  • 一包化が多い
  • ピッキングに時間がかかる
  • 施設調剤が多い
  • 多数の診療科から処方せんを受けつけている

このいずれかに該当してきます。

こうなると調剤も薬歴記入も忙しくなってきます。

技術料が3,000円以下の薬局の場合

Eのような普通の内科は、平均して処方せん単価7,000円後半~8,000円後半ほどで、そのうち技術料は2,400円前後です。

Aのように総合病院の門前で処方せんを受け付けている場合は、処方せん単価15,000円~18,000円ほどで、そのうち技術料は2,500円から2,800円前後です。
このAとEどちらのパターンも調剤の手間にさほど違いはないです。

技術料が3,000円を超える薬局の場合

B(面分業店+施設調剤)、C(内科+施設調剤)、D(精神科)のように、処方せん単価が12,000円付近になると、技術料が3,000円を超えてきます

B(面分業店+施設調剤)やC(内科+施設調剤)のような薬局は段取り良く業務をこなしても、何らかのトラブルで残業を発生させ、息をつく間もない勤務状況になってきます。残業も増えてしまうことでしょう。

オススメな薬局はどこか

処方せん単価12,000円を超えていて技術料が高くとも施設調剤が無ければ、調剤の締め切り時間に追われ、薬歴作成時間を圧迫される危険性が少なくなるのでオススメです。

これらを加味すると、この表の中ではD(精神科)かE(内科)がオススメの薬局です。

なお、「施設調剤が無ければ」としたのは、「施設調剤」のある・なしによって業務の忙しさが大きく異なってくるからです。
そのあたりの説明はこちらの記事にまとめましたので、ご参照ください。

技術料と忙しさの関係

調剤薬局の忙しさ・残業の量は、処方せん単価よりも技術料の内容によって決まってくることがおわかりいただけたでしょうか。

処方せん単価、つまりは薬剤料が高い場合は、薬剤数が多い処方日数が長いことが多く、ピッキングに時間がかかり残業の原因となります。
だからといって無条件に「処方せん単価が高い=忙しい」という訳ではありません。

処方せん単価による残業への影響は、技術料の内容によって決まってくるのです。

技術料の内容で調剤薬局の忙しさと残業量が決まる理由

技術料の内容によって調剤薬局の忙しさ・残業量が決まるのはなぜでしょう。

処方せん一枚当たりの「調剤から薬歴記入完了までの所要時間」、これが調剤薬局の残業発生の最も大きな原因であるからです。

実際の業務の忙しさと残業発生を最終的に決めるのは、薬歴作成にかけることのできる時間です。

技術料が3,000円を超えてくるような処方せんというのは、薬歴作成にかけることのできる時間を圧迫してくる業務が多いのです。

薬歴作成にかける時間を減らす原因は何か

先に挙げた技術料が3,000円を超えてくる薬局の特徴をもう一度みてみましょう。

  • 一包化が多い
  • ピッキングに時間がかかる
  • 施設調剤が多い
  • 多数の診療科から処方せんを受けつけている

これらはいずれも、薬歴作成にかける時間を減らす業務ばかりです。

この中でも“一包化が多いと薬歴作成にかける時間が減って残業が増える理由”を見てみましょう。

一包化が多いと残業が増える理由

一包化が多いと以下のデメリットがでてきます。

  • 単純に調剤に時間がかかる
  • 受診前にあらかじめ用意しておく(予製)などの工夫が必要
  • 在庫管理の厳格化
    →全ての薬剤を一度に機械にセットしなければ一包化をする機器を動かせないので、欠品がないかの管理が必要
  • 機器のメンテナンス

ここで同じ処方せん単価でも、一包化が多い薬局と一包化が少ない薬局を比較してみます。

ケース1.精神科の門前薬局

精神科は他の診療科と比較して一包化が多いため、調剤に時間がかかり、薬歴にかける時間が短くなります。
患者を待たせるわけにはいかないので薬歴記入をするスキがなく、次々と調剤して服薬指導をしなければならなくなります。

ケース2.関節リウマチを専門に扱う内科の門前薬局

処方せん単価が同程度でも、「関節リウマチを専門に扱う内科の門前薬局」では薬剤が高額な為、処方せん単価は高くなりますが、薬剤数や一包化が少ないので調剤に時間がかからず、薬歴記入の時間が確保できます。

このように、処方せん単価が同程度であっても、薬歴記入の時間を圧迫する業務がどれほどあるかが、調剤薬局の残業時間の多さを見極めるポイントになります。

まとめ

処方せん単科と技術料に注目することで、調剤薬局の忙しさ・残業時間がどう変わってくるのか、おおよその理由がおわかりいただけたでしょうか。

残業の少ない調剤薬局に転職する際には、その薬局の処方箋単価も気にしてみましょう。


 
 
 
 

その他にも調剤薬局での残業の原因にはいろいろとあります。

その会社の出店計画であったり、薬局内での年齢層の構成であったり、施設調剤のあり・なしなど様々です。

それら、調剤薬局の残業の原因となるものを一覧にまとめました。興味のある方は是非ご覧くださいね。
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イッシー

イッシー

病院薬剤師から調剤薬局に縁故採用で転職するも、とんでもないブラック企業だったことが判明。その後薬局を立て直して大手に売却。エリアマネージャーまで昇格するも、ワークライフバランスを見つめ直し、中規模調剤チェーンに転職。(そのときの転職体験談はこちら)現在は面対応薬局で患者様への服薬指導に全力を注ぐ。

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