薬剤師5大転職理由

男性薬剤師の転職観

 

女性の場合は結婚・出産というライフスタイルの変化があるため、育休のとれる職場や、育児しながら働ける職場はどこかという選択肢がでてきますが、男性の場合は、独身時代はいざ知らず、家庭をもつと家族を養っていかなければいけないという問題がでてきます。

家族を養いつつ、モチベーションを維持して長く働くことのできる職場はどこか

誰もがいつかは直面する問題ではないでしょうか。
現在のところは完全な売り手市場であるためにいつでも転職できるとはいえ、40代、50代になってからも、いつまでも転職を繰り返すわけにもいきません。

給料とやりがいという観点から薬剤師の転職できる職場を見ていきましょう。

病院薬剤師


薬剤師としての資格を活かした職種としては調剤薬局やドラッグストア、病院が主になってきますが、このうち、薬剤師としての職務を極める、専門性を高めるという観点においては、病院薬剤師がもっとも薬剤師としての専門性を発揮できる、極めることができる職業といえます。

処方を書く医師の側で仕事をすることができるのと、臨床の最前線で薬剤師の職能を存分に発揮することができます。
薬剤師向けの学会の発表会などで実績を残す事もできます。
実際に薬科大学の就職先としても人気の高い就職先のひとつです。

しかし、やりがいにおいては文句なしの病院薬剤師ですが、なんといっても問題は給料がやすいこと。
20代でしたら大体年収400万円~500万円くらいでしょうか。
給料がよければそれでいいのかというわけではありませんが、実際に結婚を機に病院薬剤師からの転職を考える方は多いです。
家族を養っていくために。

調剤薬局


薬剤師の本分である調剤業務にどっぷりと携わる職種である調剤薬局。
やりがいという観点では、総合病院の門前薬局などであれば、ハードワークではありますが様々な種類の処方箋に携われるため、自身のスキルアップになると人気の求人でもあります。

調剤薬局での最も多い悩みは、薬局内の人間関係などでしょうか。
「狭い箱のような職場で長時間ルーティンワークを繰り返すことになるため、人間関係に気を遣う。」などといった。

ある程度真実であり、実際に仕事のストレスを年下の弱者にぶつける心ない人も存在します。

しかし、やる気に満ちた人にとって、調剤薬局は非常にチャンスのある業界ともいえます。

調剤薬局での現状

薬剤師は女性が多いせいもあり、安定を求める傾向があるので、あまり出世願望も無くただ毎日のルーティンワークをこなして満足という方が多く見られます。

さらに言うと自分が一企業の「会社員」であるという自覚のある薬剤師がほとんどいなく、「薬剤師」という会社員とは別の存在であるかのような認識が強い傾向があるのもまた、幹部候補になりえる人材が少ない理由の一つなのかもしれません。

あまつさえ、薬剤師という資格にあぐらをかいて「働いてやっている」という認識の薬剤師さえいます。

調剤薬局でのチャンス

会社員としてこの企業を良くしていこう、出世してキャリアップしようなど最近の若者には失われつつある部分を、前面にアピールしてくれるような人がやってきたとしたら…
採用企業からは幹部候補として目をかけられ、その後のキャリアが約束されるのはいうまでもありません。

調剤薬局で働く人の多くは自身のスキルアップに熱心でしょうが、企業側が真に欲している人材はコミュニケーションスキルに長けた人物です。

そのような能力こそがマネジメント側にとって必要なスキルであり、希少であるからです。
それゆえ、そのような人材は30代前半であっても、高額のオファーで、複数店舗のエリアマネージャーとしてヘッドハンティングを受けることもままあります。

ドラッグストア

調剤業務に携わる職種の中では最も給料の高い職場として人気のドラッグストア。
その高給と引き換えに13時~22時などの遅いシフトに入ることも多く、特に男性の場合では、安全面の問題からも、女性よりも優先して遅番になる割合が多いようです。
店舗によっては8割が遅番ということもあるのだとか。

高給のための代償と考えてそのまま働き続ける人、ワークライフバランスを重視して調剤薬局に転職する人に分かれてきます。

ドラッグストアでの調剤業務


調剤業務については現在のところ、クリニックの処方箋を持って来る方も多いですが、クリニックの門前メインと言うよりは、生活圏内のドラッグストアに買い物ついでに処方せんを持って来る方が多いようです。

しかし今後、ドラッグストア業界は今後更に調剤に力を入れていくことが予想されます。

以前から数少ない成長分野として注目はしていたものの、少し前までは中国や韓国の方の爆買いの影響でOTCや生活用品の売り上げが急増していた時期があり、その影響があって、各社人員の関係で在宅にそこまでは注力できていなかったのです。

そこで最近では全体的な売り上げ増を目指し、伸びしろのある調剤事業にやっと本腰を入れて取り組むことができるようになったのです。

ドラッグストア大手の同行

ドラッグストア業界最大手のウエルシアは在宅に力を入れており、専門の部隊もあるようです。
マツモトキヨシも、“マツモトキヨシファーマシーズ”という会社で調剤薬局専門店を開設しています。

イメージとしては、マツモトキヨシやスギ薬局という屋号は入っているが、一般の調剤薬局のようにOTCはほとんど取り扱わずに、調剤のみを行っている店舗といった感じでしょうか。

ただしこれは、今後調剤専門店を増やしていくというよりも、ドラックストアを開設するスペースがない場合や、調剤薬局をM&Aで購入した場合、付き合いのある医師から調剤薬局の開局の話が来た場合など、調剤薬局として運営しても儲かると判断した場合に限って出店しているようです。

本体のマツモトキヨシでは調剤併設率はそこまで高くないようですが、今後は調剤併設店を増やしていく方針のようです。

ドラッグストアの中途社員研修


中途社員向けの研修については、各社力を入れてはいるようです。

しかし、大手企業の研修であっても、5日程度の研修の中で、他の登録販売士や一般従事者と同時研修で、会社の成り立ちや社訓などを学ぶ研修が中心となっており、調剤未経験の方を対象としたものはないそうです。
現場研修も1~2日挟まれているそうですが、体験研修という形で、調剤の仕組みについて学べる環境ではないとのこと。
調剤未経験で保険やレセコンなどの使い方がわからない状況では、内容が薄いと感じられるようです。

ドラッグストアでの葛藤


調剤併設とはいっても、業務スタイルは小売業に近く、そこに薬剤師としてのやりがいに疑問をいだく方も見えます。
店長からは数字数字と追われ、強化品の販売を強いられる…
お客様に適した売るべき商品と、お店都合で売らなきゃいけない商品が一致しないことにもどかしさを感じることもあるでしょう。

しかし一方で、近年話題のセルフメディケーションに貢献するため、OTC医薬品に関わることができる唯一の職種ともいえます。
そこにやりがいをもつ方もみえます。

これら“やりがい”と“辛い理由”、この2つが心の天秤の中でどちらに振れてくるのか、そこがドラッグストアで長く働いていけるかのポイントになってくるのかもしれません。

企業系職種

企業系職種のメリットはやはり、基本土日休みで高給であることです。

薬剤師という枠を超えて、高給を求めるのであれば、新薬の開発に携わることができ、外勤も多く様々な職種との接点のある臨床開発のお仕事であるCRAという選択肢もありますし、更なる高給を求めて、派遣型MRともいうべきコントラクトMRを足掛かりに製薬会社のMRに転職することもできます。

MR


製薬会社のMRともなれば、30代で年収1000万円も夢ではありません。
ただし、それなりに激務であるのと、5年前後での転勤、そして数字というプレッシャーは覚悟しなければいけません。

転勤ということであれば、CRA、病院薬剤師以外の職種であれば、どこも基本的に転勤というものは存在します。
チェーン展開している店舗であれば、どこの職場も転勤はあり得ます。“地域限定”という働き方もできますが。

CRA


一方CRAならば、基本出張のみで転勤は存在しません。
CRAには業務受託型のCRAと派遣型のCRAがあり、派遣型のCRAがメインの会社では転勤がありますが、業務受託型のCRO、もしくは製薬会社のCRAは転勤は存在しません。

MRほど激務ではありませんが、その忙しさにはムラがあるようです。

CRAの忙しさの例

繁忙期を過ぎ、症例がエントリーされるまでしばらく時間がある場合などは、週に4〜4.5日のみの勤務が1ヶ月半ほどということもありますが、症例がエントリーされると大忙しになります。
プロジェクトによっては、毎日夜遅くまでということもなきにしもあらずです。
どのようなプロジェクトに当たるかは運次第です。

このように忙しさにムラがあり、MRほどの高給は望めないもののそれなりの高給取りで、治験初期の繁忙期を過ぎればプライベートもある程度は確保できて転勤のないCRAという選択肢は、なかなかワークライフバランスに優れているといえるかもしれません。

ただし、転勤がない代わりに全国に営業所もないので、東京・大阪・名古屋などの大都市にしか職場がないのが難点ともいえます。

まとめ

どの職業にも、その職業ならではのやりがいがあり、デメリットも存在します。

賃金アップを追い求めて企業系職種を目指すのか、“薬剤師”という道を極めるために病院薬剤師を目指すのか。
後悔のない転職を目指しましょう。

転職エージェントが語る転職に成功する薬剤師と失敗する薬剤師の違い

転職に成功する薬剤師失敗する薬剤師の違い

薬剤師生活において、1度や2度の転職自体は珍しくありません。
でも中にはせっかく転職したのに、新しい職場に満足できず、転職を何度も繰り返してしまう人も…。
転職エージェントとして働いていた筆者が、『転職に成功する薬剤師』と『転職に失敗する薬剤師』の特徴を、事例をもとにお伝えします。
転職エージェントを有効利用して転職を成功させるコツもまとめてありますので、転職を考えている方はぜひチェックしてくださいね。
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ヤス

ヤス

製薬会社MR→ドラッグストア→調剤薬局と2度の転職を経験。 現在は都内の中規模調剤チェーンで管理薬剤師をしています。調剤業務だけでなく、地域活動や講演活動にも奮闘中。得意な科目は小児科と精神科、婦人科など。趣味はドライブとスノーボード。

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