退職と転職の手続き

薬剤師の退職と転職における社会保険と税金の手続きまとめ

 

転職活動と仕事を両立させて頑張っている薬剤師のみなさん、本当におつかれさまです。

在職中に次の転職先が決まった場合に、まず考えなければならないことは何でしょうか?

退職日や入社日の調整はもちろん、通常業務に加えて仕事の引き継ぎや関係者への挨拶など、やることは山積みです。
このように忙しい中で意外と後回しにしてしまうのが、社会保険税金の手続き関係です。

ただし、退職してすぐ転職先へ入社する場合、これらの手続きのほとんどを会社が行ってくれるのはご存知でしたか?
ただでさえ忙しい時に、ややこしい手続きを会社に任せることができるならこれほど楽なことはありませんよね。

今回は、退職後すぐに次の職場へ入社した場合の社会保険や税金の手続き方法についてご紹介していきたいと思います。

退職時に必要な社会保険と税金の手続き


薬剤師の皆さんが雇用されている場合に加入している社会保険には、健康保険厚生年金雇用保険の3種類、税金には所得税住民税の2種類があります。

これらはどこで雇用されていても加入する必要のある社会保険と税金ですが、転職して雇用主が変われば新たに加入手続きが必要となります。

しかし、退職日の翌日に入社する場合には、ほとんどの手続きを会社が行ってくれるのです。

ここからは、退職時に会社で手続きを行ってもらうための方法や、必要なものについてまとめてみたいと思います。

*表は横にスライドして見ることができます。

手続き
内容
健康保険厚生年金雇用保険所得税住民税
退職する職場に
返すもの
健康保険証なしなしなしなし
退職する職場から
受け取るもの
健康保険資格喪失証明書
年金手帳(預けている場合のみ)雇用保険被保険者証
源泉徴収票
なし
退職する職場に
行ってもらう手続き
健康保険の退会手続き
厚生年金の退会手続き
雇用保険の退会手続き
なし
今年度分の住民税を
・一括で徴収する
・普通徴収に切り替える
自分で行う
手続き
なしなしなしなしなし

健康保険

健康保険で大切なのは、健康保険証をすみやかに返却することです。
間違っても、期限が過ぎた健康保険証を使ってしまわないようにしましょう。

健康保険資格喪失証明書は、会社ではなく健康保険組合が発行する書類です。
そのため手元に届くまでに少し時間がかかります。

場合によっては、自分で取り寄せ請求を行う必要があることもありますので、退職する会社に確認するようにしましょう。

厚生年金

年金手帳については、企業によって預かっている場合とそうでない場合があります。

入社時に会社に預けたという場合は、忘れず返却してもらうようにしましょう。

雇用保険

雇用保険被保険者証は、退職するときにはじめて発行されるものなので馴染みのない方が多いかもしれません。
失業給付を受ける際にも必要になる大切な書類なので、失くさないようにしましょう。

所得税

源泉徴収票は、最後のお給料の支払いが完了すれば発行される書類です。
転職せずに確定申告を行う際にも必要となる書類です。

お給料の支払いから1カ月以上経っても手元に届かないようであれば、会社に問い合わせてみることをおすすめします。

住民税

住民税に関しては、少し手続きが複雑です。

それは、別記事「知らないと損をする退職後の税金の手続き」でご紹介している通り、退職した時期によって残りの住民税をどう支払うかが変わってくるからです。

1月~5月の間に退職した場合

1月~5月の間に退職した場合は、今年度分の住民税は退職する会社の給料から一括で天引きされることになりますので、退職する会社に任せておけば大丈夫です。

6月~12月の間に退職した場合

しかし6月~12月の間に退職した場合は、一括で天引きしてもらうか、普通徴収(自分で納付する方法)に切り替えるかを選ぶことができます。
普通徴収を選択した場合は、自治体から納付書が届くようになります。

この点をよく頭に入れておくようにしてください。

転職後に必要な社会保険と税金の手続き


続いて、転職後に行われる手続きと必要な書類についてご紹介します。

基本的には、退職した会社で受け取ったものを新しい職場に提出すればOKです。

ただしいくつか注意点もありますので、書類のもれがないようきっちり確認しておきましょう。

*表は横にスライドして見ることができます。

手続き
内容
健康保険厚生年金雇用保険所得税住民税
転職先の職場
に渡すもの
健康保険資格喪失証明書年金手帳雇用保険被保険者証源泉徴収票なし
転職先の職場から
受け取るもの
新しい健康保険証
なし
なし
なし
なし
転職先の職場に
行ってもらう手続き
健康保険への加入手続き
厚生年金への加入手続き
雇用保険への加入手続き
年末調整
翌年度からの住民税を徴収
自分で行う
手続き
健康保険被扶養者異動届の提出(扶養家族がいる場合のみ)なし
なし
なし
今年度分の住民税を納付

健康保険

退職した会社で加入していた健康保険組合から発行された健康保険資格喪失証明書を提出すれば、会社が新しい健康保険への加入手続きをしてくれます。
あとは新しい保険証を受け取るだけです。

また、扶養家族がいる場合のみ健康保険被扶養者異動届の提出が必要です。
ただしこの書類も会社が用意してくれるものなので、そう複雑なものではありません。

厚生年金

厚生年金の手続きもいたって簡単、年金手帳を提出するだけです。
年金手帳が見当たらないという方もよくおられますので、その場合は事前に年金事務所に届けて再発行してもらっておきましょう。

雇用保険


雇用保険被保険者証
を提出するだけで、あとは会社が新たに雇用保険への加入手続きをすすめてくれます。

所得税

前の会社で発行してもらった源泉徴収票を提出しておけば、新しい会社が前職の分もあわせて年末調整を行ってくれます。

万が一年末調整までに提出が間に合わなかった場合は、翌年の3月15日までに自分で確定申告を行いましょう。

その場合にも源泉徴収票が必要になります。

住民税

先ほどご紹介した通り、住民税だけは退職した時期によって手続きが異なるので注意が必要です。

そもそも住民税は前年度の収入にかかる税金なので、今年支払っている前年度の住民税は基本的に自分で納付することになります。

そのため、翌年の4月になってはじめて新しい会社から天引きされるようになるのです。

今年度分の残りを退職する会社で一括天引きしてもらった場合は、特に手続きは必要ありません。

6月~12月の間に退職して普通徴収を選択した場合

普通徴収に切り替えた場合は、自治体から届く納税書に従って自分で住民税を支払うことになりますが、納付書を会社に提出すれば給与天引きに切り替えてもらえる場合もあります。

新しい職場に一度相談してみると良いでしょう。

もし退職時に転職先が決まっていなかったら行うこと


ここまで、「退職時に次の転職先が決まっていた場合」の社会保険と税金の手続きについてお話してきました。

ここで1点だけ注意していただきたいのが、今回ご紹介してきたのが「退職日の翌日が転職先への入社日になっている」場合のお話です。

退職してから入社する日までに1日でもブランクが空く場合や、しばらく期間をあけて転職しようとする場合は、自分でさまざまな手続きをしなくてはなりません。

それぞれの手続きについて簡単にお話しておきましょう。

健康保険

国民健康保険へ切り替えるか、退職する会社で加入していた健康保険を任意継続するかを選んで自分で手続きします。
おもに生計を立てている家族がいる場合は、その家族の扶養に入ることもできます。

厚生年金

国民年金への切り替え手続きをします。
おもに生計を立てている家族がいる場合は、その家族の扶養に入ることもできます。

雇用保険

失業保険の給付を希望する場合は、お住まいの管轄にあるハローワークで手続きを行う必要があります。

所得税

所得税の支払いはありませんが、今年度すでに支払っている所得税の過不足を調整するために自分で確定申告を行う必要があります。

住民税一括で支払いをしなかった場合は、退職後にも住民税の支払いは続きます。
自治体からの納付書に従って自分で納税してください。

こうした一度退職してしまった場合の社会保険、税金に関する手続きについては、別記事で詳しくご説明しておりますので参考にしてください。

まとめ

薬剤師の転職における社会保険と税金の手続きについて、退職後すぐ転職した場合の方法や必要な書類についてご紹介してきました。
一旦無職になる期間に入ってしまうと、すべての手続きを自分で行わなくてはなりません。

しかしここまで読めばわかる通り、ブランクなしで転職できればほとんどの手続きを会社に任せることができ、非常に楽になります。
会社を退職する前に次の転職先を決めることには、このようなメリットもあるのです。

仕事と転職活動の両立は大変ですが、うまくいけばすべてがスムーズに運びます。
転職エージェントや転職サイトを利用して、上手に転職活動をすすめていきましょう。

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macky

育休中の転職エージェント。現役時代は営業として、採用企業への営業活動はもちろん、求職者の面談や求人制作を行う。

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