薬剤師の転職理由と転職回数

薬剤師は転職回数多い?どう助けてくれる?転職エージェントに聞いてみた

 

『なぜ薬剤師は転職回数が多いのか』
その疑問を解決すべく、今回は人材紹介会社で新卒から10年、転職エージェントとして薬剤師専門で働いてきたHさんに薬剤師の転職回数の多さについて聞いてみました。

記事の後半では、転職回数が多い薬剤師に対して転職エージェントにどのように手助けしてもらえるのかもお聞きしています。
ご自身の転職回数が気になる薬剤師さん必見ですよ!

薬剤師の転職回数が多い理由

- 一般的に薬剤師は転職回数の多い職業と言われます。その理由はなんでしょう?

圧倒的な売り手市場であるためです。

処方箋薬の取り扱いは薬剤師資格を持っている者でなければならず、かつ1日当たり1名の薬剤師が扱える処方箋枚数は法律で定められているため、調剤薬局で多くの処方箋を受ける場合はそれだけ多くの薬剤師が必要となります。

また、ドラッグストアでも一類医薬品を扱えるのは薬剤師だけです。
10年程度前までは、資格さえあればどんな人でも良いと求人企業が言うような状況でした。

現在の薬剤師の転職市場は

-10年前までは“入れ食い状態”だったわけですね。では、今現在ではどうなんでしょう?

薬事法の改正や、調剤薬局チェーン大手による中小チェーンの買収が進んだことで調剤薬局数もある程度飽和状態になり、薬剤師の資格さえあれば誰でも良い、という時代はほぼ終わったのではないかと思われます。
新規出店すれば儲かる時代ではなくなってきているということですね。

そのため、一般的な転職では当たり前の転職回数や面接時のコミュニケーション能力等を重視する求人企業が増えてきました

地域格差はあるのか

-地域格差はありますか?
まだまだ地方では薬剤師不足とは聞きます。一方で東京などの大都市に薬剤師が集中しているとも聞きますが。

地域格差はあります。
地方でも私立の薬学部のある地域や、観光地的なエリアは薬剤師は比較的充足する傾向にあります。
意外と沖縄県等は薬局数が少なく、人の移動があまりない一方、移住したいという方も多いため、充足していたりします。

職場に女性の多いことと、転職の多さに関係あるか?

-薬剤師の業界は女性の多い職場だとも聞きますが、転職の多いことと関係ありますか?

全く関係ないとは言えないと思います。
女性に特有の結婚・妊娠出産を機に退職し、ある程度時間にゆとりができたらパートで復職する、というパターンは多いです。

-薬剤師の転職希望者に占める女性の割合はどのくらいでしょうか?大体で結構です。

女性60~70%位でしょうか。
薬剤師資格保持者の割合がその程度で、転職希望者も同じような割合です。

薬剤師の転職理由

-薬剤師のみなさんは、どのような理由で転職を希望されるのですか?

給料をアップさせたい、休みを増やしたい、という薬剤師さんは多いです。
キャリアアップという薬剤師さんもいらっしゃいます。

人間関係で転職される薬剤師さんは多いですね。
調剤薬局等は狭い職場で長時間同じ方と一緒に働き続けること、女性が多い中で男性が一人等という環境も珍しくなく、煮詰まってしまうこともままあるようです。

結婚などのライフイベントでの転職は、女性の方が多いです。

男性は給料アップやキャリアアップを求め転職されるケースが多いですね。
人気職種は医薬品メーカーの研究職やMRが男性比率としては多いでしょうか。
薬剤師としては調剤薬局やドラッグストアより、総合病院での専門薬剤師等を目指される方が多いかと思います。

薬剤師の転職理由:給料と休み

-「給料をアップさせたい、休みを増やしたい」
これは誰もが重視するところかと思うのですが、「給料アップ&休み」のみの理由でも転職されるものなんでしょうか?
他の理由のおまけというか、ついでなのかと想像していました。

とても職場環境が良いが給料や休みに不満があり転職する、という方は少数だと思いますがいらっしゃいます。

処方箋を受けるクリニックや病院に合わせた休みの取り方になりますので、配属先の店舗によってどうしても家庭の事情と休みが合わない、という事態も発生しますので、そうなると転職を考えます。

また、奨学金をもらっていたり、将来独立を目指す方等も割合多く、勤務先の年収上限が見えたあたりで転職を繰り返していく、という方もいらっしゃいます。

薬剤師の業界特有だと思いますが、転職に対するハードルが一般よりもかなり低いため、そもそもひとところに長く勤務したい、この会社に定年までいたいという意識のある方は多くないと思います。

薬剤師の転職理由を多い順に並べると

-これまでのHさんのご回答を見ると、薬剤師の方が転職する理由は以下の5つに大別されるかと思います。

・人間関係
・ライフスタイルの変化(結婚・出産・育児など)
・キャリアアップ
・給料アップ
・休み

この5つの理由ですが、多い順に並べるとどのような順位付けになるのでしょう?また、割合などもざっくりでもいいので知りたいです。

  • 人間関係3割
  • ライフスタイルの変化2割
  • キャリアアップ1割
  • 給料アップ2割
  • 休み2割

当然複合的な理由で転職される方も多いので、本当に参考程度とお考えください。

転職回数が多い薬剤師の特徴は何か

-「そもそもひとところに長く勤務したい、この会社に定年までいたいという意識のある方は多くない」とのことですが、MRやCRAなどの、企業に勤務の方も同様なのでしょうか?

企業に勤務の薬剤師の方は調剤薬局やドラッグストアの方ほど転職回数は多くありません。
調剤薬局・ドラッグストア特有だと思います。

-ということは薬剤師の転職市場は、みなさん調剤薬局・ドラッグストアをぐるぐると巡っている
ざっくりとしては、そんなイメージでよかったでしょうか?

仰る通り、ぐるぐる巡っている薬剤師さんは結構いらっしゃいますね。
エリア・規模・処方箋科目等にこだわりがある方も結構いらっしゃいます。
過去には、一定エリアで転職を繰り返しすぎてもう紹介できるところがないという方も何名かいらっしゃいました。

性格上同じところに毎日通うのが苦痛という方もまれにみえます。
そのような方には派遣という働き方をオススメしています。
実際に、3つの薬局をローテーションで派遣として働いていた方もみえます。
月曜はA薬局、火曜はB薬局、水木はC薬局という感じにです。

派遣ならシフトを調整することで、いろいろな職場で働くことができます。
派遣薬剤師は過去の転職回数は問われません。求められるのは経験とスキルです。扱える科目が多ければ多いほど紹介できる求人先が多いです。
転職回数が多く、多くの職場を経験しているというのは、派遣薬剤師にとってはむしろメリットと考えることもできます。

珍しい例では、夫婦共に薬剤師で旅行好きなため、旅行に行きたい地方の薬局を転々とするという方も見えました。

しばらくはその地域に住んでみて、飽きたらまた別の行ってみたい地方で求人先を探す といった具合です。

独立を目指す薬剤師は多いのか

-「新規出店すれば儲かる時代ではなくなってきている」とのことですが、それでもまだまだ独立を目指す方は多いということでしょうか?

薬事法改正前ほどではないものの、開業を目指す方はまだいらっしゃいます。
特に新規開業クリニックの医師とつながりがある方にはまだチャンスがあるのではないかと。

全く何のつながりのない状態からの個人薬局開業を考えられる方はあまりいらっしゃらないかと思います。
独立開業の方法としては、イチから開業するほか、チェーン店ののれん分け、個人店を買い取る、等もあります。

転職回数が多い薬剤師にエージェントはどのように手助けしてくれるのか

-薬剤師の転職の転職回数を重視する求人企業が増えてきたとのことですが、転職回数が多い薬剤師であっても、転職を成功させたい。
その場合、転職エージェントの方にはどのように手助けしてもらえるのでしょうか?

そうですね、転職エージェントにできることは、求職者さんのこれまでの転職回数が多くても、1つ1つの転職理由を丁寧に求人企業さんにお伝えすることで、まずは面接に漕ぎつけるようにお手伝いすることができます。

そのような手間をかけなくても、とにかく人手が足りないから誰でもいいという薬局さんであれば、すぐにでも紹介できますし、転職も簡単です。
しかし、そのような企業さんは離職率もまた高いので、求職者さんの転職回数をいたずらに増やすだけです。
あまりオススメはできませんね。

エージェントとしては、求職者さんの希望や悩みを詳しく聞いて、次こそは長く働ける職場を紹介したいと思ってます。
エージェントの側の立場としても、求職者さんが転職してすぐに辞められては紹介料が入ってこないんですよ。
自分たちのためにも、必死でよい職場を紹介しなければならないんです。

もっとも、こんなこと絶対に薬剤師さんには言えませんが…

転職回数が多い薬剤師の手助けになってくれる転職サイトはどこか

-では最後に、転職回数が多い薬剤師にオススメの転職サイトはありますか?

転職回数が多い薬剤師さんには、次の2つのサービスを行ってくれる転職エージェントがオススメです。

転職回数が多い薬剤師にオススメの転職サービス

  • 対面カウンセリング
  • 面接同行

対面でカウンセリングすることで、きめ細やかな面接サポートをさせていただくことができます。電話面談だけのカウンセリングに比べて薬剤師の方の本音が聞きやすいですし、その分、精度の高い面接対策ができます。

面接同行サービスがあれば、面接で緊張する薬剤師さんに対して様々なバックアップをすることができます。
面接の場の空気を和ませたり、会話を繋ぐ、回答に困る薬剤師さんに助け舟を出すことができたりと、薬剤師さんにも好評です。

中には、面接の記録を取るだけで、なんの手助けもしてくれないエージェントもいるみたいですが…
面接の場に同行することで、多くの面接ノウハウを持っていることも強味ですね。

この2つのサービスを実施している転職サイトであれば、転職回数が多い薬剤師さんの手助けになると思います。

具体的には、次の3社がオススメです。

転職回数が多い薬剤師にオススメの転職サイト

  • マイナビ薬剤師
  • ファルマスタッフ
  • 薬剤師転職ドットコム

この3社は、対面カウンセリング、面接同行共に実施しています。

特に、マイナビ薬剤師やファルマスタッフはエージェントの営業拠点数が同業他社に比べ圧倒的に多いです。営業拠点が多いということは、それだけエージェント一人一人の担当範囲が狭くなるので、より多く現場に足を運ぶことができます。
この2社は現場に詳しいことでも有名なので、転職回数が多い薬剤師の方だけでなく、多くの薬剤師の方にオススメできると思います。

また、ファルマスタッフであれば派遣求人も取り扱っているので、派遣薬剤師として多くの職場で働いてみたい方にはオススメできます。

転職エージェントがオススメする転職サイト3社

オススメ1 マイナビ薬剤師

マイナビ薬剤師
マイナビが運営する薬剤師転職支援サービスです。

「求職者のニーズにベストマッチする求人を見つけること」を重視しているため、転職者の満足度が高い転職サイトです。

親会社が大手人材関連企業なので、大手企業との繋がりが太く掲載求人数も多いですが、20~40店舗の中堅チェーンや個人薬局にもシッカリ営業しているので、幅広いジャンルの求人があります。

求職者からヒアリングした希望と、企業から収集した情報の2つを活かし、求職者・求人先の希望をしっかりマッチさせることから、実際に求職者に人気がある転職サイトですよ。

マイナビ薬剤師の詳細を見る
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オススメ2 ファルマスタッフ

ファルマスタッフ
日本調剤が運営する薬剤師転職支援サービスです。

高年収・キャリアアップを叶えやすい上に、紹介先にも詳しく頼れるサイトです。

厳選された求人ばかりのため転職後に不満が出にくく、マッチング後の離職率は業界内で低い方です。

ファルマスタッフは業界トップクラスの調剤薬局の子会社なので、調剤薬局の業務や実情に詳しく、面接にも必ず同行してくれます。

ファルマスタッフのエージェントは、年収や勤務条件の交渉を、かなり粘り強く頑張ってくれます。
他社で紹介されて希望が叶わなかった求人が、ファルマスタッフに交渉してもらって希望が合うようになったという実例もありますよ。

ファルマスタッフの詳細を見る
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オススメ3 薬剤師転職ドットコム

薬剤師転職ドットコム
アインホールディングスのグループ会社であるメディウェルが運営する、薬剤師転職支援サービスです。

女性の転職エージェントが多く、気さくで話しやすい方が多い印象。

エージェントにもワーキングママが少なくないので、ママ薬剤師の気持ちや大変さを理解した上で、求人を探してくれます。

パートや派遣求人も多く取り扱っているので、ママ薬剤師以外にも、ワークライフバランスを重視したい方にもおすすめできますね。

薬剤師転職ドットコムは大手の求人は多くないですが、その分中小企業の求人は豊富。

中小企業は大手に比べ高年収求人が多いので、求人全体に対する高年収求人の割合が高めです。
年収や条件に対する交渉も積極的にしてくれるので、待遇面が理由の転職の方は、一度薬剤師転職ドットコムへ相談してみると良いですね。

薬剤師転職ドットコムの詳細を見る
無料登録はコチラ

まとめ

薬剤師の転職市場は圧倒的売り手市場であったものの、最近では「誰でも良い、という時代はほぼ終わったのではないかと思われます。」とのこと。
安易に転職ができる時代は過ぎようとしているのですね。

そんなときに手助けになってくれるのが転職サイトのエージェント。
転職市場の動向に詳しい転職の専門家に手助けしてもらうことで転職の成功率を高めることができるのではないでしょうか。

転職回数の多い薬剤師の方の面接対策には、こちらの「転職回数が多い薬剤師の転職理由の説明の仕方」が参考になるでしょう。

現役転職エージェントによる、こちらの「薬剤師の転職面接必勝法!転職エージェントのアドバイスのすべて」も参考になるはずです。
最新の薬剤師転職市場についてもまとめてありますよ。

転職エージェントが語る転職に成功する薬剤師と失敗する薬剤師の違い

転職に成功する薬剤師失敗する薬剤師の違い

薬剤師生活において、1度や2度の転職自体は珍しくありません。
でも中にはせっかく転職したのに、新しい職場に満足できず、転職を何度も繰り返してしまう人も…。
転職エージェントとして働いていた筆者が、『転職に成功する薬剤師』と『転職に失敗する薬剤師』の特徴を、事例をもとにお伝えします。

転職エージェントを有効利用して転職を成功させるコツもまとめてありますので、転職を考えている方はぜひチェックしてくださいね。
転職エージェントが語る転職に成功する薬剤師と失敗する薬剤師の違い


転職サイト比較

転職エージェントとして働いていた筆者が知る薬剤師の転職サイト10社について、実際にお会いした求職者さんの感想と他社出身のエージェントから聞いた業界内の評判を元にご紹介します。
元転職エージェントがおすすめする、薬剤師の転職サイト10社の徹底比較ランキング!

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ヤス

ヤス

製薬会社MR→ドラッグストア→調剤薬局と2度の転職を経験。 現在は都内の中規模調剤チェーンで管理薬剤師をしています。調剤業務だけでなく、地域活動や講演活動にも奮闘中。得意な科目は小児科と精神科、婦人科など。趣味はドライブとスノーボード。

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