管理薬剤師

管理薬剤師のその後3つのキャリアアップ

 

管理薬剤師で退職を検討する方が挙げる理由として、「その後のキャリアがない」ということがあります。個人薬局や親族経営の小規模チェーン調剤においては、管理薬剤師よりも先のキャリアが用意されていないことも多く、キャリアアップに恵まれていないということがしばしば問題になります。
そこで今回は、管理薬剤師のその後のキャリアについて、3つに分けてご説明いたします。

大手でキャリアアップ


キャリアアップを考える上では、大手に就職することが近道の一つです。
大手チェーン調剤や大手ドラッグストアにおいては、大型店舗の管理薬剤師やエリアマネージャーなど、管理薬剤師の先のポジションが用意されています。

また、開業支援や商品開発などの部署が設けられていることもあり、異なる仕事に挑戦することも可能です。本部社員になり、いずれは課長職や部長職を目指すこともできるでしょう。

どんな人が向いているのか?

大手でキャリアアップを目指すにあたっては、向上心があることが第一です。
さまざまな分野のことを勉強したいと考えている方や、自己研鑽をいとわない方は、大手ではたらくことがオススメです。

次に、会社の命令に対して逆らわないということが重要です。大手では、会社命令で急な人事異動があることも珍しくありません。急な転勤を言い渡され、地方勤務を余儀なくされることもあるでしょう。そんなときに、受け入れる柔軟性がある方が、向いていると考えられます。

どうすれば大手でエリアマネージャーや本部社員になれるのか?

大手でエリアマネージャーや本部社員を目指すためには、必ずしも生え抜きである必要はありません。中途社員にも十分にチャンスはありますが、一般的には数年間の下積みが必要となります。

まずは一般薬剤師、管理薬剤師という段階を経て、エリアマネージャーを目指すこととなります。もともと管理薬剤師の経験がある場合や、経営のノウハウがある場合には、面接時にうまくアピールすることができれば、早めにエリアマネージャーや本部社員のチャンスをもらえる場合もあります。

本部社員になることができれば、課長職や部長職を目指すようにしましょう。会社の規模によっては1,000万円を超える年収を期待することも出来ます。
大手では一般社員の年収水準は低く、昇格するまでの年収はあまり期待できませんが、中途入社の場合は、面接時の交渉がうまくいけば前職の給与水準を維持することが可能です。

前職の給与水準を維持できたとしても、本来の給与に付した調整手当として支給されます。昇進していかなければ、昇給は当分期待できません。

エリアマネージャーや本部社員のデメリット

エリアマネージャーや本部社員のデメリットとして、年収が同年代の管理薬剤師よりも下がってしまうことが挙げられます。
理由としては、みなし労働によって残業代がつかなくなってしまうことや、店長手当てや管理薬剤師手当てがなくなってしまうことが考えられます。

某大手ドラッグストアでは、30代男性が店舗の管理薬剤師から本部社員になったところ、年収が720万円から670万円まで下がってしまったそうです。
また、本部社員といえば聞こえは良いですが、シフトがどうしても埋まらないときや繁忙期には、一般薬剤師として応援要員にされてしまいます。ときには新幹線で遠方まで駆け付けることもあり、負担となることもあるのです。

中小でキャリアアップ


中小のチェーン調剤やドラッグストアにおいても、キャリアアップを目指せる場合があります。会社によっては、管理薬剤師やエリアマネージャーはもちろん、幹部としてグループの経営に携われるケースもあります。しかし、家族経営で幹部を目指せない会社や、生え抜きでなくては難しい会社もあるので、注意が必要です。

どんな人が向いているのか?

中小で幹部を目指すためには、経営者である上司に気に入られながら、店舗のスタッフともうまくやっていかなくてはなりません。すべての人と分け隔てなく接することのできるコミュニケーション能力が求められます。

また、一人に任される仕事量も、大手に比べれば多くなってしまいがちです。一人で経営から人事までを担当することもあるので、幅広い仕事に挑戦したい方にオススメです。

幹部を目指せる会社と目指せない会社の見極め方

中小では、すべての会社が幹部を目指せるかというと、そうではありません。あまりに規模が小さすぎる会社であれば、親族が経営陣を占めている場合も多く、雇われでは管理薬剤師止まりとなってしまいます。ある程度の規模があり、幹部へのキャリアパスのある企業を選ぶようにしましょう。

募集要項では詳しく書かれていないこともあるので、そんなときには転職エージェントの活用がオススメです。経営に携わりたいという熱意を伝え、将来的に幹部を目指せる企業を教えてもらいましょう。

幹部になることのデメリット

幹部として働くということは、経営者の一人となり、会社の為に尽くすということです。
残業や休日出勤いとわずにバリバリと働き、仕事を最優先にしなくてはなりません。繁忙期には労働時間が極端に長くなってしまうこともあるので、ワークライフバランスを優先したい方や、しっかりと休暇を取りたい方には、不向きと言えるでしょう。

幹部ともなれば一つの薬局だけではなく、グループ全体の経営責任も負わなくてはなりません。責任が大きいことも、デメリットの一つといえるでしょう。

独立・開業する


薬剤師のキャリアパスの一つとして、自分で薬局を開業するということが挙げられます。
ある程度の元手が必要であったり、経営がうまくいかず失敗してしまうリスクもありますが、成功すれば年収2,000万円も夢ではありません。定年や転勤も無く、生涯を通してはたらいていけることも、開業の魅力の一つです。

どんな人が向いているのか?

開業においてまず大切なのは、自分の薬局を持ちたいという強い信念です。「自分の薬局を持って○○をしたい!」という想いがなくては、うまくいかないでしょう。
また、経営者となると、様々な方と接する機会が増えるので、コミュニケーション能力が高い人が向いているといえます。医師やMSさん、薬局のスタッフや患者さんなどとうまく関係が築ければ、薬局の経営も安定していくことでしょう。
さらに、少し別の見方をすれば、結婚していて配偶者が薬剤師という方も、開業に向いているといえます。薬剤師がひとまず2名確保できているということは、薬局経営においては強みとなるのです。

開業するための方法とは?

開業するための方法としては、すでにある薬局を買い取り・承継することと、自分で一から創業することの2つのパターンがあります。
すでにある薬局を買い取る場合には、実際の薬局の価値にのれん代が上乗せされるため、かなりの費用が必要となってしまいます。薬局の規模にもよりますが、数千万円~1億円以上が必要となる場合もあります。

一方で、自分で一から創業する場合では、土地代と建物代、医薬品の購入費、什器(レセコンや分包機、調剤棚など)のリース料、当面の運転資金のみを用意すれば良いため、費用を大幅に抑えることができます。土地代の安い田舎であれば、1,000~2,000万円程度で開業できる場合もあります。しかし、医師とのコネクションが必要となるので、ハードルは高いといえます。

薬局薬剤師が開業を目指す現実的な方法としては、後継者不足で困っている薬局を受け継ぐということがオススメです。

経営者が高齢となり、後継ぎもいないのでだれか継いでくれる人がいれば譲りたいと考えている場合には、安価で譲り受けることが可能です。既に患者さんもついているので、リスクも少ないといえます。

ただし、患者さんが急激に増えることは見込めないことや、設備が老朽化していること、門前医院の後継者問題などもあるので注意が必要です。

開業することのデメリット

開業をすることのデメリットとしては、大きなリスクを背負ってしまうことが挙げられます。もちろん成功すれば収入は大きく上がりますが、うまくいかず失敗してしまえば、莫大な借金を抱えてしまう可能性もあります。

また、経営者となれば薬剤師としての仕事に加え、薬局の経営や価格の交渉、スタッフの採用などさまざまな仕事をしなくてはなりません。安定するまではプライベートの時間がほとんどなくなってしまうことも、デメリットの一つです。

まとめ

  • 管理薬剤師のキャリアパスとしては、大手、中小、独立という3つの選択肢がある
  • 大手では本部社員として部長職を目指し、中小で幹部を目指すことがオススメ
  • 独立して経営者となるという選択肢もあるが、リスクは大きい

薬剤師がキャリアアップをしていく上で、管理薬剤師は一つの節目です。しかし、次のステップは会社によっては難しい場合もあるので、そんなときは転職という選択肢を検討しましょう。

転職の際には、自分の向き不向きや適性を考えて、転職先の会社を選ぶことがオススメです。自分の適性がわからない場合には、転職サイトのエージェントを活用することがオススメです。当サイトでは転職サイトの比較記事もご用意していますので、ぜひチェックしてみてください。

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ヤス

製薬会社MR→ドラッグストア→調剤薬局と2度の転職を経験。 現在は都内の中規模調剤チェーンで管理薬剤師をしています。調剤業務だけでなく、地域活動や講演活動にも奮闘中。得意な科目は小児科と精神科、婦人科など。趣味はドライブとスノーボード。

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