薬剤師の転職活動

MRから薬剤師への転職、気を付けるポイントは?

 

2018年診療報酬改定に伴って、薬価が大きく引き下げられたことは、記憶に新しいでしょう。
製薬会社も収益が悪化するなかで、希望退職者を募るなど、対策をすすめています。
MRの仕事内容もより過酷になる中で、賞与の減額がささやかれたり、会社自体の将来性が危ぶまれたりもしています。

業界の中でも、薬剤師資格を持つMRが次々に転職サイトに登録をしているということも、話題となっています。
そこで今回は、MRから薬剤師へと転職する際に役立つように、ポイントや注意点をご紹介していきます。

元MRが転職で目指すことの多い職場

薬剤師の資格を持つMRが業界外に転職する際には、どのような職場を選ぶことが多いのでしょうか。順にみていきます。

調剤薬局


調剤薬局は、MR出身の薬剤師が目指すことの多い職場の一つです。
MRのように不規則な時間で働くこともなく、ノルマもありません。配属地も選択できるので、実家の近くに帰りたいという場合にも選ばれることの多い職場です。担当先の薬局に勧誘され、そのまま就職というケースも珍しくはありません。
給与面ではほとんどの場合、ダウンしてしまうことは避けられませんが、ワークライフバランスは大きく改善するでしょう。スキルアップやキャリアアップをして、管理薬剤師を目指し、年収アップを勝ち取りましょう。

ドラッグストア


ドラッグストアも、MR出身の薬剤師から人気のある職場の一つです。
調剤薬局よりも年収が高く、MRで培った提案力を生かすことができる職場です。大手ドラッグストアなどでは福利厚生も良く、長期休暇を取得できるなどMRと共通したポイントもあります。
しかし、土日祝日の勤務が必要となることに、注意をしなくてはなりません。実際の体験談においても、MRからドラッグストアへ転職した方の多くは、土日祝日休みがなくなったことを苦痛に感じているようです。

調剤薬局とドラッグストアで迷ったら

調剤薬局とドラッグストアのどっちがいいのだろう?どちらに転職しようか迷う薬剤師さんも多いのではないでしょうか。
そこで調剤薬局とドラッグストアの違いを下記記事にまとめました。宜しければご参照ください。

CRO

CROとは、Contract Research Organizationの略で、「開発業務受託機関」のことをあらわしています。
製薬会社が医薬品開発の際に行う、治験業務を受託・代行する企業であり、MRからの転職者も多いといわれています。
CROで働くスタッフはCRA とよばれ、治験進行中のモニタリング業務を行います。年収も高く、転勤も少ないことから、人気は非常に高い業種ですが、募集人数が少ないことや、高い英語力が求められることから、狭き門となっています。

MR経験のある薬剤師の強み


MR経験のある薬剤師には、さまざまな強みがあります。具体的には、どのようなものがあるのでしょうか。

コミュニケーション能力が高い

MRは製薬会社における営業職です。業務上さまざまな職種の方とやりとりをしなくてはならないため、コミュニケーション能力は総じて高いといえます。
調剤薬局やドラッグストアでは患者さんと話す場合に、CROなどの企業においては治験担当医師と話す場合において、MRで培ったコミュニケーション能力が活躍します。

高いレベルのマナーを身に着けている

MRは、医師や薬剤師などの社会的地位の高い方と折衝しなくてはならないため、研修などを通じて高いレベルの社会人マナーを身に着けています。
薬剤師のなかにはマナーを十分に理解していない方も多く、クレームの原因となることもしばしばあります。MR時代に身に着けたマナーは、別の職場においても活躍をすることでしょう。

医師対応ができる

調剤薬局の管理薬剤師になる場合や、CROで働く場合には、MRで培った医師対応のスキルは大活躍します。
医師の中には気難しい方も多く、うまく対応しなくてはトラブルを招いてしまいます。MR経験のある方であれば、ほとんどの場合問題なく対応することが出来るので、新しい職場からも重宝されるのです。

MRから薬剤師への転職で心配事と苦労する点

MRから薬剤師へと転職することは、メリットばかりではありません。心配事や苦労する点について、ご紹介していきます。

年収がダウンする

MRから薬剤師へと転職すると、ほとんどのケースでは年収がダウンしてしまいます。
さらに家賃補助や福利厚生、営業日当などを加味すると、見かけ以上に生活は苦しくなってしまいます。MRでは毎日のように飲みに行ったり、長期で海外旅行に出かけたりと、派手な生活をしている方も珍しくはありません。年収がダウンしてしまうことをしっかりと理解して、生活レベルの見直しをするようにしましょう。

調剤の経験がない

MRとして働いている方のほとんどは、調剤の経験がありません。
プロモーションしていた自社の薬のことは得意ですが、なじみのない薬については、勉強をしなくてはなりません。禁忌や飲み合わせ、配合変化などについても、再度勉強しなおさなくてはならないでしょう。その他にも薬歴の書き方や服薬指導のポイント、在庫管理の方法など、さまざまなことを一から勉強しなくてはならないので、慣れるまでは苦労がつきものです。

勤務の自由度が減る

MRのように外勤が中心の仕事では、自分の裁量で仕事をすることが認められており、勤務の自由度は極めて高いといえます。しかし、薬剤師は勤務時間のほぼ全てを薬局内で過ごすため、自由な時間はほとんどありません。
これまでのようにメリハリをつけて働くことができなくなるため、慣れるまではストレスの原因となってしまうでしょう。

MRから薬剤師への転職時に気を付けるポイント

MRが薬剤師へと転職する際に気を付けるべきポイントを、ご紹介していきます。

年収だけで選ばない

MRが薬剤師に転職をするに当たり希望する条件の一つとして、年収を落としたくないということがあります。
調剤の経験があれば管理薬剤師という選択肢もありますが、そうでない元MR薬剤師の場合は、ドラッグストアか地方の調剤薬局の求人が紹介されることが一般的です。
ドラッグストアや地方の勤務は過酷であり、以前から働きたかったという強い想いがなければ、長続きはしないでしょう。年収だけで選ぶことは、避けましょう。

研修制度のしっかりした会社を選ぶ

MRから転職する方のほとんどは、大学を卒業してからかなりの時間が経過してしまっています。当時の知識はかなりの部分抜け落ちてしまっているでしょう。
最近になって薬学部は6年生過程となり、知識を身に着けて間もない新卒薬剤師が、次々に現場へと出てきています。社会人としての経験は負けることはありませんが、単純に調剤経験だけを比べた場合、不利になってしまいます。

基礎を学びなおせるように、中途研修の仕組みがしっかりとした会社を選ぶことがポイントです。

転職サイトを活用する

MRの経験がある薬剤師は、マナーやコミュニケーションの能力が高く、転職市場において市場価値が高いといえます。
しかし、すべての薬局や企業が、そのような人材を求めているというわけではありません。中には、どこの会社にも染まっていない、新卒薬剤師だけを欲しがっている企業もあります。そのような求人に応募しても、良い結果は得られません。

そんなときには、転職サイトを活用するようにしましょう。転職サイトのエージェントに相談をすることで、MR経験のある薬剤師を必要としてくれる企業を教えてもらうことができるのです。

実際にMRから薬剤師へと転職をしている方のほとんどは、転職サイトを利用することで、転職を成功させています。

まとめ

MRから薬剤師への転職まとめ

  • MRからの転職で目指す職場は、調剤薬局、ドラッグストア、CROなどが多い
  • MR経験のある薬剤師は、転職市場において市場価値が高い
  • 転職サイトを利用することで、ミスマッチを減らすことができる

MRはやりがいがあり、社会的なステータスも高い職業です。しかし、今後の医療業界を考えた場合においては、これまでのような働きやすい環境は続かないと考えられています。見切りをつけて早めに調剤へと転職をする方も増えているので、自身のキャリアプランをしっかりと考えて、乗り遅れないようにしましょう。
困ったことがあれば、エージェントに相談することがおすすめです。

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ヤス

製薬会社MR→ドラッグストア→調剤薬局と2度の転職を経験。 現在は都内の中規模調剤チェーンで管理薬剤師をしています。調剤業務だけでなく、地域活動や講演活動にも奮闘中。得意な科目は小児科と精神科、婦人科など。趣味はドライブとスノーボード。

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