薬剤師のお仕事データ

薬剤師の在宅業務の忙しさとワークライフバランス

 

在宅医療を経験したことがない薬剤師の方々から「在宅はとても忙しそう」「配達に手間がかかりそう」「残業が多そう」等、ネガティブな声をよく耳にすることがあります。在宅医療に取り組んでいる薬局は、外来投薬のみの薬局に比べてハードワークという印象を持たれている薬剤師が多いようです。
確かに外来対応のみの薬局と比較すると、業務のバリエーションは多様であるとは言えますが、必ずしも多忙を極めているというわけではありません。
そこで今回は、薬剤師の在宅医療の忙しさとワークライフバランスについて解説していきます。

在宅は忙しいのか

在宅医療に取り組んでいる薬局が忙しくなる原因として、患者様やその家族、施設職員からの要望に合わせた調剤や薬のセット、服薬指導が求められることが挙げられます。患者様個々の身体的・精神的特性に合わせて調剤方法を工夫し、改善を繰り返す必要があるため、外来患者様と比較して手間がかかるケースが多いです。
在宅の現場から特に相談の声が多い内容について、以下に例を挙げてみます。

一包化が多い

通院することが困難な在宅患者様の中には目や手先が不自由な方もいらっしゃいます。外来調剤と比較すると一包化調剤を希望されるケースが多くなります

粉砕調剤が多い

認知症患者様、パーキンソン病患者様等が多く入居されている施設では、嚥下機能の低下による誤嚥性肺炎を予防する目的で粉砕調剤の指示が増えます。粉砕の可否の確認や保管上の吸湿対策にも気を配らなければならないので、作業量が多くなり時間がかかります。

緊急対応がある

医師が訪問診療した際に、緊急で臨時対応しなければならないことに気付くケースが度々あります。もちろん薬剤師にも早急な対応が求められるため、すぐに薬を届けて服薬指導する必要があり、他の作業が予定通りに進まなくなることがあります。

施設調剤と外来調剤の担当分けをした場合・していない場合のメリット・デメリット

外来調剤と在宅調剤とで、担当する薬剤師を完全に分けて業務を進める薬局もあります。それぞれの特徴を以下で説明します。

施設調剤と外来調剤で担当を「分けている」場合

外来が混雑する時間帯でも施設担当薬剤師が配達に出向いたり、薬のセット業務に従事することができます。
それぞれの役割に集中することができるため、リスクマネジメントもしやすいと言えますが、それぞれの情報の把握度は下がってしまします。患者様からの電話対応時等は返答できる職員が制限されます。

施設調剤と外来調剤で担当を「分けていない」場合

外来患者が混み合う時間帯には薬剤師は総力で外来対応に追われますので、その時間帯の配達業務はしにくくなり、時間の制限が増えます。
一方で、スタッフ間で店の状況は把握しやすいので、休暇等の事情で店を空けることがあってもサポートしやすい環境だと言えます。

施設調剤と外来調剤で担当は「分けている」方がよいのか?

外来調剤と在宅調剤を分けるか分けないかの判断基準については、仕事量や職員の数によって変わってきます。

基本的には担当分けをした方が仕事はわかりやすく整理され、効率も良くなりますが、その分の人数が十分に足りていないとどちらのセクションも過度に多忙になります。
現状では在宅に取り組む上で薬剤師数に余裕がないケースの方が多いため、担当分けをしたくてもその体制が作れていない薬局の方が多いでしょう。

忙しくなる在宅薬局の特徴

在宅業務が忙しくなる薬局の特徴として、計画的に分業ができてないという点が挙げられます。
ここで言う分業とは、上記で説明した「施設調剤と外来調剤の担当分け」とは異なり、薬剤師・調剤助手・事務職員等の職種ごとに、それぞれがやるべき仕事を適切に振り分けることを指します。

薬剤師の専門性を最大限に活かすことを考えると、在宅における薬局業務では、薬剤師資格や専門知識を必要としない作業もかなり多くあります。もちろん全ての作業に薬剤師が関わり、十分に確認しながら進めていくことができれば理想的なのですが、収益とのバランスを考えるとそうはいきません。

薬剤師は調剤や監査、服薬指導業務に専念し、薬のセットや日付の確認は調剤助手に、契約や会計業務は事務職員にと、明確に役割を分けてチームで取り組むことで作業効率は上がります。
特に施設調剤については、まとめて複数枚の処方箋の処理を同時進行でスピーディーに進めていく必要があります。

分業体制への意識が低い薬局は、結果的に業務が複雑になり、忙しくなる傾向があります。

忙しくない職場選びのコツ


薬局が在宅業務に取り組む上で、薬剤師のワークバランスが悪くなる状況と言えば、やはり残業時間が多くなるケースが考えられます。在宅の現場では作業量が多いため、時間管理を徹底していないと簡単にオーバーワークになりがちです。

在宅では、配達業務を伴います。時間帯や天候状況により、予想以上に配達時間がかかってしまうことがあります。臨時対応や施設からの要望も多いです。作業の効率化を意識し、適正な仕事量を常に意識する必要があります。

「在宅に取り組む以上は最初から残業は当たり前」と考えている薬局よりも、「どう工夫して時間内に仕事を終わらせるか」を意識している薬局の方が、ワークライフバランスを保ちやすいと言えるでしょう。

まとめ

在宅医療に携わる薬剤師は、多様な仕事内容が求められるため忙しく、私生活にも影響が出るような印象を持たれている方が少なくないかもしれません。
しかし、訪問スケジュールを計画的に組むことで、外来患者様が待合室で待っている状況よりも余裕をもって自分のペースで仕事に取り組むことができます。

また、自らの足で薬局の外へ赴くことにより、新鮮な視点で薬剤師業務を見つめ直す良い機会にもなり、気分転換ができます

在宅業務の忙しさが必ずしもワークライフバランスに悪影響を及ぼすというわけではありません。ストレスを溜め込まない働き方という観点で言えば、より深く患者様と関わっていく在宅医療のやりがいは、日々の生活への活力となっていくのではないでしょうか。

転職を考える薬剤師の方へ

薬剤師がすぐに辞めていくような会社であれば、受ければ受かりますが、条件のよい求人には応募が殺到します。

薬剤師が転職を成功させるには、転職サイトを利用した求人情報の活用がキモです。
応募の殺到する人気求人への転職に成功した筆者の経験を元に、「薬剤師の転職サイト閲覧時」「転職エージェントとの面談時」「応募先の決定時」「応募先企業との面接時」のそれぞれの段階において、どのような求人情報を確認し、どのような情報を活用すればよいのか、転職成功のためのノウハウの全てを「薬剤師の求人情報の見方とその活用方法のすべて」にまとめました。
薬剤師転職の教科書ともいえるものです。
理想の求人を手に入れるための参考にしていただければ幸いです。

薬剤師転職サイトランキング

薬剤師の転職サイト徹底比較

当サイトを運営する薬剤師執筆陣が選んだ、薬剤師転職サイトのランキングです。
薬剤師転職サイトの比較ポイントとは!? これを見れば、もう転職サイト選びで迷わせません!

ランキングを見てみる

The following two tabs change content below.

ヤス

製薬会社MR→ドラッグストア→調剤薬局と2度の転職を経験。 現在は都内の中規模調剤チェーンで管理薬剤師をしています。調剤業務だけでなく、地域活動や講演活動にも奮闘中。得意な科目は小児科と精神科、婦人科など。趣味はドライブとスノーボード。

こんな記事も読まれています

  1. 人気の求人“大型病院の門前薬局”アナタはその忙しさに耐えられるか

  2. 面対応の薬局ってどんなとこ?その特徴と将来性

  3. 面対応の薬局の集客の仕方 門前薬局が面対応を志してもうまくいかない?

  4. 在宅医療薬剤師の求人を探すときに知っておきたいこと

  5. 面対応の薬局、門前薬局との差別化の方法

  6. かかりつけ薬剤師になることのメリット・デメリット

PAGE TOP