今後の薬剤師

薬剤師に英語って必要!?英語力を活かした薬剤師の仕事の探し方

 

薬剤師として働いていて英語の習得が必要だなと感じたことはないでしょうか?

おそらく数多くの薬剤師が、それぞれの職種において英語の壁にぶつかり、スキルアップができなかったり、仕事がスムーズに進まなかったりした経験があると思います。

私は13年前にその「英語の壁」にぶつかった薬剤師の一人です。

今回は、私がなぜ英語の必要性を感じたのかや、どのように英語を学んだのか、またその後どこで英語を生かして働いたのかということなどをお話していこうと思います。

英語を勉強しようと心に決めた理由

英語の必要性と感じた最初の出来事

冒頭で13年前に「英語の壁」にぶつかったと書きましたが、実は英語の必要性については私が薬剤師になりたての16年前からすでに分かっていました。

16年前、私はある医療機関で薬剤師として調剤を中心とした仕事をしていたのですが、日本語が分からない外国人の患者様がいらっしゃるたびに、「英語が話せないといけないな」とずっと思っていたのです。

病院に来る患者様は、言うまでもなく病気になって来院をします。

言葉の分からない国で、ただでさえ不安なのに病気になったせいで一層不安になっているに違いありません。

でも勇気を出して病院に行ってみたら、英語の分からない薬剤師がただ、英語の医薬品情報書を提供するだけで何もしゃべってくれない・・・。聞いても何も分からない・・・。

患者様の助けになりたくて薬剤師になったのに、これでは患者様に不信感を抱かせているだけです。

そう思うととても歯がゆくて、薬の説明や体調のことを聞いたり、世間話がある程度できたりするくらいの英語のレベルをいつか身につけなければいけないなと思っていました。

でも、その時は「いつか身につけなければいけない」とその程度に思っていただけであくまでも「たった今から英語を勉強しよう!」という意気込みはなかったのです。

英語が大嫌いだった私


英語の勉強を先延ばしにした最大の理由は、私自身が英語が苦手だったからです。

高校での受験勉強は主に得意な数学と化学に時間をかけ、英語は常に二の次でしたし、薬科大の入学試験も得意な二つの科目で英語をカバーしての合格でした。

薬剤師はもともと理系タイプですので、英語が苦手という人はとても多いのではないでしょうか。

とにかくそういうわけで、英語の必要性を感じつつも、勉強することから逃げる日々がそこから何年か続きます。

英語ができないと仕事ができない!

英語から逃げ続けて3年、私は調剤の仕事から治験コーディネーターという仕事に移りました。

新薬の開発のお手伝いをする仕事に対してとてもやりがいを感じる毎日だったのですが、仕事を始めて数か月後のある日、大きな問題が出てきてしまいます。

そうです。これが私の「英語の壁」の問題でした。

当時、治験の世界ではグローバル化が進み始めていたころで、日本だけではなく海外でも同じ試験が同時進行していたり、海外の検査センターを使用したりということがどんどん多くなっていきました。

そのため、すべて英語で書かれた症例報告書を読んで、そこに英語で記載しなければいけなかったり、検査の検体回収の予約を英語でしなければいけなかったりということが日常の仕事の中で必要になっていったのです。

つまり英語の読み書きはもちろんしゃべることができないと治験コーディネータという仕事自体が満足にできないという事態になってしまったということです。

とにかく英語を今すぐに勉強しないといけない!

これが英語嫌いの私が英語習得に向けて動き出した最大のきっかけです。

英語の勉強方法

駅前留学

まず私が手っ取り早くためした方法は、週一回駅前の英会話教室に通うことでした。

月謝も1万円を少し超える程度でしたので、経済的にも無理なく通えましたし、仕事とは違う環境に身を置いたことでストレス発散にもなりました。

ただ、週1回60分の授業を受けたからと言ってすぐに英語力が伸びるといったことは残念ながらありませんでした。

アメリカへ語学留学


とにかく私は早く英語を習得したかったので、駅前留学にさっさと見切りをつけて語学留学する決意をしました。
場所はアメリカ。期間は90日。

そう決めるとすぐに職場に辞表を提出して渡米する準備に入りました。

90日にした理由は、90日までは特別なビザの申請なしでアメリカに滞在できるからです。
学校はカリフォルニアにあるコミュニティーカレッジのESLクラスに入りました。

費用は、渡航費、学費、3か月の滞在費で当時約100万円以上かかったように記憶しています。

クラスには日本人はほとんどいない状態で、22カ国の違った国の仲間と一緒に勉強し、お昼休みや放課後なども一緒に過ごしました。

最初はお互いに何を言っているのか分からなかったのに、次第に耳が慣れてちょっとした会話をして一緒に笑えた感動は一生忘れません。

私の英語勉強方法

海外の人と話せることももちろん大事ですが、私の最大の目的は英語を使って仕事をすることでしたので、クラスでの授業以外に学校のコンピュータールームにあるパソコンを借りて(当時スマホがなかったので)医療系の単語を調べて書き出し、ホームステイ先で覚えるということをしていました。

また、暇があると近くの薬局に行って実際にアメリカの薬剤師さんたちがどのような仕事や患者様への指導をしているかということもチェックしました。

このように3か月間アメリカで有意義に過ごし、日本に無事帰国しました。

薬剤師に求められる英語力とは

治験コーディネーター(CRC)や臨床開発モニター(CRA)

治験に携わる職種が必要な英語力は主に、医療用語などの語彙力と文章力だと思います。

治験に必須のCRFと呼ばれる症例報告書を書く場合、何のことを言っているのか分からないと間違ったデータを入力してしまう恐れがあるからです。

治験は新薬開発をするための大切な試験ですので、データ入力の小さなミスでも大きな犠牲を生むことは簡単に想像できますよね。

また、副作用などを報告書説明する場合の文章力も大切になりますし、特にCRAの場合は海外の企業とのやり取りにEmailを使った英語でのコンタクトが求められることも多いです。

調剤薬局や病院に勤める薬剤師

直接海外の患者様と接する薬剤師の場合は言うまでもなく会話力が一番重要です。

ただ、処方された薬がどんな効き目があるのかや用法容量を説明するのは簡単ですが、患者様から聞かれたことに答えたり、要望を聞き取ったりするのはかなりの英語力が必要かもしれません。

ちなみに海外の患者様は、自分の知らないことを知らないままにしておかないという人がとても多いです。

日本人は医師に任せているから大丈夫などと思いがちですが、海外の患者様は何事も自己責任だと思っているせいか情報を手に入れることに対しとても貪欲ということは覚えておいてほしいところです。

つまり、相手がある程度英語が通じる薬剤師だと知ると、いろいろな質問を投げかけてきます。

たとえば、私は「この湿布だけど、どの程度深いところの痛みまで効くの?筋肉じゃなくて神経まで届くの?」と聞かれたことがあり、日本人の患者様から聞かれたことがなかったのでちょっと驚きました。

また、患者様に安心感を与えるためにちょっとした世間話が英語でできるとさらに良いと思いますよ。

薬剤師の英語力が生かせる場所

治験関係

先ほどお伝えしたように、治験はグローバル化が進んでおり、英語が必須ですので英語力を生かすにはもってこいの場所と言っても過言ではありません。

実際私も語学留学を通して英語を勉強した結果、治験の仕事がスムーズにできるようになりましたし、自分の英語を生かせたことにとてもやりがいを感じました。

職種としてはお話ししたCRCやCRAの他、DMと呼ばれる治験のデータ解析業務も海外のデータを扱うため英語を使います。

海外の人が多く来局する薬局

たとえば六本木など、海外の人たちが多く働く場所の近くには英語や中国語が話せる医師が在中するクリニックなどがあります。

そのようなクリニックの門前薬局は英語力がかなり役立ちます。

私は以前、中国人の患者様が多く来る薬局に勤めていた経験がありますが、やはり共通語が英語ですので、英語での説明が毎日のように求められました。

英語は世界共通語と言われている通り、英語が話せればアメリカやイギリスからの患者様以外の方とでもコミュニケーションが取れるようになるということです。

医療系の翻訳家

これはちょっと珍しいケースですが、メディカルトランスレーターという仕事で英語を生かしている薬剤師も中にはいます。

お仕事としては、薬の文献や治験の説明書を医療機関で働く日本人に分かりやすいように翻訳するお仕事です。

ただ、このお仕事をするには英語力だけではなく、日本語の高い文章力と医療関係の単語力も必要となります。

また、メディカルトランスレーターになるには試験があり、長い経験を積んだ人やかなり高いスキルがないと合格するのは非常に難しいです。

英語力を生かす求人の見つけ方

語学留学などで英語力を身につけたらどうにかそれを生かしたいですよね。

ここまで、治験関係のお仕事や海外の人が多く来局する薬局と書きましたが、それではどのようにそのような求人を見つけて就職すればよいのでしょうか。

一番おすすめしたいのは、薬剤師の転職エージェントに相談することです。

エージェントは、一般に公開されている求人だけでなく、非公開求人も多く取り扱っていますので、それだけ選択の幅が広がります。

そして何より、その職場の特徴を前もって調べていますので、どの職場が英語を生かせるのかを教えてくれるのです。

自分一人で求人を探すよりも、より効率良く希望の就職先が見つかるのではないでしょうか。

多くのエージェントは登録や紹介が無料ですので気軽に相談してみてください。

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まとめ

今回は、薬剤師と英語についてお話してきました。

語学留学をするとなると、仕事を辞めたり休職したりしなくてはいけないため、リスクが大きくなかなか一歩踏み出せないという方がとても多いと思います。

私は、最初の語学留学がとても良い経験になったため、英語のレベルアップなどを目指して再度アメリカの学校に戻ることもしましたので、その間の就職形態を、正社員ではなくパートや派遣にしていました。

正社員として安定した立場を得るというのも一つの選択だと思いますが、「成功にはリスクがつきもの」と自分に言い聞かせ、思い切って冒険してみると予想外の良い結果が得られたりするものだと思います。

また、社会人留学する人の数で常にトップにいる職業は薬剤師と看護師だそうです。
向上心のある人が多いのと、一度仕事を辞めても再就職先に困ることが少ない資格ならではと言えますよね。

もし、英語力を身につけてスキルアップをしたいと思ったら少し勇気を出して一歩前に進んでみてください。
今までと違った世界が目の前に広がると思います。

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Candie

総合病院に臨床薬剤師として勤務後、治験コーディネーターを経て語学留学のため渡米。 帰国後は治験コーディネーター、保険薬剤師として英語を生かした仕事に就く。 現在は結婚退職し、ライターとシステムプログラマーとして在宅勤務中。趣味はものづくり。

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