薬剤師のお仕事データ

薬剤師からMRへ転職するときにしっておきたいこと

 

「せっかく薬剤師免許を取ったので薬局(病院)で働くことにしたけど、やっぱりMRになりたい!」
薬局や病院・ドラッグストアで数年勤務したのち、MRへの転職を考える薬剤師は珍しくはありません。

キッカケは今の仕事にやりがいを感じられなかったり、MRになった友人の年収を聞いてしまったときなどが多いようです。

私の夫は大学の同級生なのですが、薬局で1年ほど働いて「ずっと同じことの繰り返しで飽きた、年収も思ったより低い。」と言って、MRへの転職を決意しました。

そこで夫の薬剤師からMRへ転職した経験を元に、営業未経験者がMRに転職するために知っておきたいことや転職活動のコツなどをお話します!

「今からMRは無理かな…。」なんて諦め気味な方も、ぜひ一度読んでみてくださいね!

現在のMRの転職市場。MRはいらなくなる?

以前、日本経済新聞に「ネットの進歩で医師が自分で薬の情報を集められるようになってきた。MRが不要になり、リストラの標的になってきている。」といった内容の記事が出ていました。

参考:医薬営業 リストラの波 市場縮小、3000人削減 アステラスや大正
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現に記事にあるアステラスや大正製薬だけではなく、武田薬品・ファイザー・グラクソスミスクラインなど大手製薬会社にて、MRのリストラが行われています。

ただそれはMRに限ったことではなく、多くの製薬会社のリストラ対象は全社員(MRを含む)です

さらに製薬会社だけでリストラがあるわけではなく、東芝や富士ゼロックスなど大手企業でも人員削減が行われています。MRだけが不要となり、減らされているわけではないことがわかります。

そうは言ってもMRの数は減少傾向にある上に、基本的には活発な若い人材ほど求められる分野。

中途採用の数は減っており、MRの転職市場は難しい情勢と言わざるを得ない状況です

確かに医師が自分でネットを使い情報を集めることもできますが、仕事が忙しくそこまで手が回らない医師が大半。
今でも有用な情報をもたらすMRは重宝されているので、MRが不要とまでは言えないですよ。

営業未経験者の中途でもMRに転職できる?

最初にお伝えしておきますが、営業未経験の薬剤師がMRに転職するのはかなり難関です。

薬の知識があるので普通の転職者より優遇されそうですが、実は営業経験者の方が優遇されることが多いです。
道は険しいですが、営業未経験の薬剤師はMRになれないというわけではありません。

ここからは現場薬剤師がMRに転職できる確率を上げるためのコツをお伝えしていきますので、ぜひシッカリ読んでみてくださいね。

営業未経験で転職できる製薬会社はごく少数

MRと聞くと多くの人が思い浮かべるのは、先ほどリストラの項目で名前が挙がっていたような大手製薬会社の営業ですよね。

ただ大手製薬会社・先発医薬品製薬会社の中途募集要件には、ほぼ「MR経験必須」「業界問わず営業経験必須」「MR認定証必須」のどれかが入っています。

大学卒業後に病院や薬局などの現場で働いてきた薬剤師は、当然MR経験も営業経験もありません。上記の条件をどれも満たすことができないので、中途採用試験を受ける資格すらありません…。

MR認定証はMR認定試験をクリアすればもらえます。しかし、MR認定試験の受験資格として、製薬会社に入社して研修を受けるか、一般向けの研修を受ける必要があります。

一般向け研修は集合研修150時間、個人研修150時間の両方を受ける必要があり、社会人として働きながらこなすのはかなり難しい内容です。株式会社医薬情報教育研究所でのみ実施しています。

ちなみに私の夫が薬局薬剤師からMRへの転職を考えた2010年当時は、今のようにMRのリストラ話など出ていませんでした。それでも営業未経験の薬剤師が受けられる先発企業は、企業規模に関わらず1社のみでした。

転職エージェントにより受けられる会社が変わる可能性がある

薬剤師専門の転職サイト(転職エージェント)があるように、MRにも専用の転職エージェントがあります。

薬剤師の転職エージェントもサイトや担当者により待遇が変わりますが、MRの転職においてはさらに重要。

夫は「MRビス」「MR転職ナビ」などMR転職エージェントに、合計4社登録してすべてのサイトの担当者とやり取りしていました。

その中で、1つの転職エージェントの担当者がある製薬会社の人事担当者と知り合いだったため、「営業経験3年以上」という条件をクリアしていないにもかかわらず書類選考に応募させてもらえました。

かなりラッキーなケースだとは思いますが、薬剤師免許を持っているということで書類だけでも見てもらえるようにお願いしてくれる担当者がいることはいます。

MRへの転職は自力で行わず、必ず複数の転職エージェントに登録してましょう。その上ですべての担当者と話し、一番顔の広く話の早い人にお願いすることが大切です。

夫が登録したMR専門の転職サイト

営業未経験でねらい目なのはGEメーカーとコントラクトMR

転職エージェントの力を借りることも大事ですが、MRの数自体が減っている今、営業未経験者にとってMRの中途採用は難関中の難関。

先発企業にこだわりすぎると、どんどん年数だけが過ぎていくなんてことも…。

ちなみに営業未経験者の場合、MRに転職できるのは35歳くらいが限度です。
今のMR情勢を考えると、32~33歳くらいでも厳し目になってきています。

とにかく早くMRになりたいと考えるなら、狙いたいのは以下の働き方。

  • ジェネリックメーカーのMR
  • コントラクトMR

ジェネリックメーカーのMR

ジェネリックはここ数年国からの後押しがあるので動きがよく、MRの募集も以前より増えています。

先発企業ほど専門的な知識も求められないため、ジェネリックメーカーの中途採用は経験不問での募集も多いのが特徴です。

給与・福利厚生面は先発メーカーに劣るイメージかもしれませんが、ジェネリックメーカー大手の沢井製薬のMR平均年収は700万円を超えています

確かに大手先発メーカーの平均年収には及びませんが、現場薬剤師よりもずっと高い年収が期待できますよね。

コントラクトMR

コントラクトMRとはCSO(Contract Sales Organization)と呼ばれる、医薬品メーカーにマーケティングサービスを提供する会社に所属するMRのことです。

所属はCSOですが実際に働く現場は大手製薬会社が多く、第一線で活躍するMRと同じ舞台で働くことができます。

厳密には少し違うのですが、MR専用の派遣会社というイメージですね。

以前は優秀なコントラクトMRを勤務先の製薬会社が正社員として引き抜くことがありました。しかし現在は製薬会社自体がMRの数を絞っています。コントラクトMRとしてかなり優秀な成績を収めても、正社員への引き上げは難しいです。

ただ中途採用試験を受ける際には、コントラクトMR時代の成績を加味してもらえる可能性が高いので、ほかの志望者よりはずっと有利ですよ。

先発メーカーの応募条件を満たしていない・何社受けても受からない…という場合、まずはジェネリックメーカーやコントラクトMRを狙ってみましょう。

ジェネリックメーカーやコントラクトMRとして数年勤務し、経験や実績を積んでから大手製薬会社への転職を考えるという道筋です。

MR中途採用試験の対策 現場薬剤師経験者の強みを活かす

調剤薬局やドラッグストアの入社試験は、面接というより面談程度で特に対策はいりません。

一方MRの場合はまず書類審査があり、その後一次面接・二次面接があります。

薬剤師がMR転職を狙う際に覚えておきたい面接の対策をお伝えします。

応募の倍率は40~100倍

MRからMRへの転職希望者以外の中途採用志望者は、多くが住宅メーカーや食品メーカーなどの営業経験者です。
一般の営業職よりもMRの方が福利厚生・待遇面で優れているので、転職希望者は常にたくさんおり、MR中途採用試験の倍率はかなり高め。

夫が働いている会社は、先発企業ですが大手と呼べる会社ではありません。
それでも中途採用試験の倍率は、その当時70倍ほど。

そのときは募集定員5名に対し400数人が応募し、書類審査で40人ほどに絞られました。
その後一次面接で10人になり、最終的に6名が合格。

新卒であれば大手の方が倍率が高く、中小で低いとなりますが、中途の場合それがいつも当てはまるわけではありません。

倍率は運とタイミング次第で大きく変わりますが、低くても40倍で高いときには100倍を超えることも

営業未経験の薬剤師がMRへの転職を考えるなら、会社にこだわらず数多くの中途採用試験を受ける必要があります。

自己PRのポイント

現場を経験した薬剤師にできるアピールは、実際に医療の現場で働き患者さんと話していることです。

薬の知識が豊富なこともそうですが、それは薬剤師なら当然なのであまり重要視されません。

どんな薬剤師として働いてきたかは人それぞれですが、例えばこんなアピールができますね。

服薬指導で毎日多くの患者さんと話してきたので、初対面の人から不満や不安や質問を聞き出すことができます。

治療効率を上げるため、患者さんのQOLを高めるために配慮しており、患者さんから多く指名を受けています。

待ち時間軽減のため、〇〇や××という工夫を行いました。その結果待ち時間が平均〇分縮めることができた。

知識面に自信があるならこんなPRも。

薬理が得意でしたので、詳細な薬効薬理の情報を医師との面談時に活かせると考えております。

MRとして求められる人材は、「自分で考え行動し、実績を上げられる人物」です。

それを考えたときに薬剤師として行ってきたことの中から、行動的で医薬品の販売実績に繋がるである内容をアピールしましょう。

実際の面接時には詳細な内容を聞かれますので、実体験+それをMRになったらどう活かすかをしっかり話せるようにしておく必要があります。

志望動機のポイント

世間的に見れば、薬剤師はとても安定していて転職する必要のない仕事です。

その薬剤師を辞めてまで、どうしてMRになりたいのかを基本的に正直に伝えることがカギです。

例えば私の夫の場合、調剤薬局での仕事に不満があったことを以下のように伝えました。

調剤薬局では仕事が遅くて残業が多い人ほど残業手当をもらい、仕事が早い人はその分収入が少ないのが不満でした。
どれだけ他より頑張って仕事をしても大して評価されず、もっと頑張った分だけ評価されたいと思いました。
その点、MRの仕事は自分の頑張りが数字として表れます。それがモチベーションに繋がり、私に合っていると思ったため転職を考えました。

収入や待遇面は薬剤師がMRに転職する最大のメリットとなるので、伝えて問題ありません。
ただ他の志望動機も必要です。

例えばこんな理由がありますね。

薬剤師として働く中で、医師が正しく薬に対して理解していないと感じる場面がありました。
それでも疑義紹介で訂正してもらうには限度があり、不本意ながらそのまま調剤したこともあります。
MRは医師に直接正しい薬の使用方法や最新の情報を伝えることができます。MRとなることで、間接的に患者さんの治療効率上昇に還元したいと考えました。

それに加えて、受ける会社に合わせた志望動機も必要です。

〇〇領域の疾患に興味があり、志望致しました。

〇〇病や〇〇領域の患者さんの役に立ちたいと考えています。

薬剤師の広い知識をいかして、多くの領域の薬を持っている御社を希望しています。

などです。

志望動機に使える、薬剤師ならではの引き出し・エピソードはたくさん用意しておきたいですね。

転職エージェントに面接対策を手伝ってもらう


現場の薬剤師がMRへの転職を希望するなら、面接対策サポートがある転職エージェントを使用しましょう。

薬剤師として働いていれば初対面の人と話すことに抵抗はないと思いますが、面接はそれとは全然違います。

緊張感のある面接をほとんど経験していない私たち薬剤師にとって、倍率何十倍という世界を勝ち抜くためには面接に対する本格的な対策が必要

面接対策セミナー・模擬面接に申し込みましょう。模擬面接で緊張を感じず、思ったことを話せるようになるのが理想ですね。

なかなか上手に話せないときは、まずは身内相手に模擬面接をしてみると良いですね。
まずはどんなことを面接で伝えたいのか、紙に書きだしてみて転職エージェントの担当者に添削してもらうのがオススメです。

薬剤師からMRになるメリット・デメリット

実際に現場薬剤師からMRに転職してみて、良かったことと悪かったことが当然あります。

MRになるかまだ悩んでいる…という方は、MRになったあとの生活をイメージしてみてくださいね。

薬剤師からMRになったメリット

収入が上がる

MRになりたてのころは、薬局薬剤師のときとそれほど変わらない年収でした。

ただ、年収がすぐに頭打ちになって昇給しにくい薬剤師と違い、MRはグングン年収が上がります。

会社による差・個人差はありますが、現在の夫の年収は薬剤師時代の約2倍です。
(薬剤師時代の年収が、薬剤師の中でも比較的低い方だったせいもありますが。)

福利厚生が良い

会社が家賃を8割補助してくれる・保養所が利用できるなど、MRは何かとお金の補助があります。

つまり出ていくお金が薬剤師時代よりも減っているので、貯金できる額がぐっと増えました。

好きな場所で食事や旅行した分を補助してくれる制度もあり、毎年ちょっといいディナーや旅行を楽しませてもらっています。

やりがいがある

薬剤師の仕事は基本的に毎日同じことに繰り返しで、つまらないと感じる人もいるはずです。

実際に夫はそのように感じてMRを希望しましたが、常に目標がある仕事は楽しいようです。

目標のために自分で計画を立てて働くこと。これが楽しいと思える人は、MRに向いていると言えます。

薬剤師からMRになったデメリット

転勤が多い

多くのMRが、3~5年に1回転勤を繰り返しています。

私は夫の転勤に合わせて働くため、パートから派遣薬剤師に切り替えました。しかし、簡単には異動できない仕事の人が家族にいると大変ですよね。

もう少し子供が大きくなったら、単身赴任をしてもらうことになってしまうと思います。

帰宅が遅い

医師との面会や講演会の手伝いなどが仕事の基本なので、日中は比較的時間があるのに夜は忙しいのがMRの仕事。

知人のMRは毎日22時帰宅でした。週末しか子供に会えず、まったく子供が懐かないと嘆いていました…。

家庭の時間や自分の時間をしっかり確保したいという方には、あまり向いていない仕事と言えます。

飲み会が多い

医師への接待は法律で禁止になったため、昔のように接待はないです。しかし、医師や薬剤師を会社に招いて行う社内勉強会後の飲み会や、社内での飲み会は普通にあります。

これも会社によるのですが、比較的飲み会が少なめの会社の夫でも月に3~5回ほど飲み会があります。

忘年会シーズンになると卸さんとの飲み会も入るので、月に10回ほどあったことも…。

お酒を無理に飲まされることはないですが、お酒の場が苦手な方にはつらいですね。

まとめ

MRに憧れはあったけど、無難に薬局を選んでしまった。
思ったよりも薬剤師の年収(やりがい)が低く、不満がある…。

病院や薬局を数年経験してからMRへの転職を考える薬剤師は意外に多いですが、実際に転職活動をする人はごく一部です。

未経験からのMRに転職する難しさから断念してしまうんだと思いますが、決して無理な道ではありません。
特に年齢が若ければまだまだチャンスはあるので、できるだけ早く行動することが大切ですよ。

現場の薬剤師を経験していると、訪問先の薬剤師や医師と話が弾みやすく、実績に繋がりやすいという面もあります。

MRが気になるという方は、ぜひ今すぐ行動してみましょう。

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チェルシー

チェルシー

大手調剤薬局に勤務後、転勤族であるMRとの結婚により退職。結婚後はしばらくパートで働き、派遣薬剤師に転向。妊活に専念するため退職し、現在は子育てとライターの兼業中。趣味はゲームとネットサーフィン。

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