薬剤師のお仕事データ

病院薬剤師の仕事内容

 

薬剤師の仕事を目にする機会は薬剤師でもそう多くありません。
風邪を引いたときに薬を貰いに薬局に行くことで薬剤師に合うことが出来ます。

しかし、病院に勤務する薬剤師には入院しないとそうそう会えません。
はたして病院薬剤師は、私たちの見えないところでどのような仕事を行っているのでしょうか。
今回は、病院薬剤師はどんな仕事をしているのかというテーマでご紹介していきたいと思います。

病院薬剤師の仕事内容

病院薬剤師の仕事は、入院患者さんへの薬学的な介入です。
基本となる内服薬・注射薬の調剤から高カロリー輸液・抗がん剤などのミキシング、病棟での服薬指導や処方薬チェック、最近では外来にまでその活躍の場を広げています。
病院薬剤師の仕事を次に示す9つの項目についてご紹介しましょう。

1調剤業務


内服薬を扱う調剤業務は大きく2つに分けられます。
外来受診した患者さんに対する外来調剤と入院患者さんに対する入院調剤です。

この調剤業務をのちにご紹介する注射薬の調剤を合わせて中央業務と呼んだりもします。

医薬分業が謳われ、院外処方箋は増えてきていますが、対応度合いは地域によってばらばらです。未だにすべての外来調剤を行っている病院もあります。

外来患者さんの処方箋を院外に出した病院は、その空いた時間で病棟業務を盛んに行っています。

外来調剤を行っている病院は、病棟業務が遅れている病院が多い傾向にあります。

しかし、薬剤師の人数をしっかり確保できている病院はその限りではありません。
外来調剤を行いながらでも、入院調剤や病棟業務に薬剤師の人数を割くことができるからです。

外来調剤を行うメリット

外来調剤は悪いことばかりではありません。
オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)をご存知でしょうか?

患者数が少ないために流通が少ない医薬品で、そのほとんどは大学病院などの大規模な施設で扱われることが多くなっています。
オーファンドラッグを服用している患者さんが気まぐれでいろいろな薬局を転々とすると、多くの薬局は不良在庫抱えてしまうことになります。

このような事態を回避するために、オーファンドラッグのような希少な薬剤は院内調剤されるケースがあります。
外来調剤がすべてゼロになる大規模病院はほとんどないでしょう。

2製剤

病院内で扱う医薬品の中には、薬価収載されておらず、市販されていない医薬品もあります。
患者さんの病態によっては市販されている医薬品では対応できない場合、薬剤師が院内製剤を調整して治療にあたります。

院内製剤はいわば手作りの医薬品になります。
医薬品メーカーの作成した医薬品はその品質が担保されていますが、院内製剤にはその担保がありません。
薬剤師が、薬学的な知識を用いて院内製剤を調整します。

とはいっても適当に調整するわけではありません。

論文や院内製剤集などを引用し、患者さんが使っても問題ない品質となるように調整を行っています。

院内製剤を作成している病院はそれほど多くはないですが、患者さんの治療に欠かせない医薬品を調整する大切な業務です。

3DI業務

医薬品や治療は日々進んでいます。
最新の治療法やガイドラインに柔軟に対応するため、新しい医薬品の情報収集は病院薬剤師にとって基本中の基本です。

新規副作用報告があった場合は、医薬品メーカーのMRから情報が提供されます。その情報を院内通知し、迅速に対応することも病院薬剤師の大切な役割です。

病院薬剤師は、病院採用薬の医薬品集作成や、医師が医薬品を処方する際のマスタメンテナンスまで行っています。薬剤師もPC機器などを積極的に使う時代となりました。

4注射薬

薬局では扱わない医薬品に注射薬があります。

処方された注射薬の用法用量や投与法が適切か、ピッキングを行った注射薬が合っているかなどの確認作業は内服薬の調剤と変わりません。

しかし、力価低下や沈殿、変色などの配合変化は注射薬特有です。病院薬剤師特有の業務と言っていいでしょう。
在宅などで注射薬を扱う薬局も増えてきていますが、それはほんのごく一部です
病院薬剤師には、注射薬を扱う膨大な知識が必要です。

5病棟業務

入院した患者さんがスムーズに治療が行えるよう、服用・使用している薬剤を早急に確認する必要があります。
これを持参薬鑑別といって、病院薬剤師のとても大切な仕事です。

アレルギーや副作用歴などを確認する初回面談は薬局と同様に行いますが、持参薬鑑別では、お薬の持参状況から患者さんのコンプライアンスを確認することが出来ます。

医師が必要な薬を処方しても、患者さんが薬をきちんと服用することができなければ意味がありません。薬剤師が服薬指導を行い、患者さんのコンプライアンス向上に努めます。

入院中の患者さんの元に足を運んで、副作用の早期発見することも病院薬剤師の重要な役割です。

 

6チーム医療

病院には多くの医療チームが存在します。
栄養に関わる栄養サポートチーム(NST)、感染に携わる感染制御チーム(ICT)、そのほか褥瘡対策チームや肝臓チーム、抗菌薬適正使用支援チームなども存在します。

各領域とも医薬品の知識は必須のため、ここでも薬剤師は薬の専門家として活躍しています。

7薬剤師外来

薬剤師外来は、ここ数年で注目を浴びてきた領域です。

特にがんの領域では、がん患者指導管理料3が新設され、病院薬剤師の外来患者さんへの関わりが初めて診療報酬上評価されました。

今後、多くの薬剤師外来が普及していくことが望まれています。

8専門薬剤師

薬剤師の専門性もかなり普及してきました。
各学会が専門資格を認定しているため、認定者数も多くなっています。

がん、感染、妊婦授乳婦、精神科、HIV、小児、薬物療法などの領域で薬剤師の専門資格が出来ています。
ジェネラリストである薬剤師は、認定薬剤師を経て専門薬剤師となり、特異な分野での活躍が期待されています。
専門領域での業務は、各学会での発表や論文などで報告されています。

9最先端の医療

近年の医療は大きく進歩してきました。

これまで患者さんに多くの侵襲を許していた手術も、腹腔鏡下で行うことで早期退院が可能となりました。
ダヴィンチと言われる医療機器での手術により、医療の質は目覚ましく進歩しています。医療技術の向上に合わせて薬剤師の医療への関わり方も変わってきています。

<画像引用>Health Tech News

これまでの手術と言えば基本的に休薬して臨むことばかりでした。抗凝固薬や抗血小板薬による出血リスクを抑えるためです。

しかし、休薬による脳梗塞や心筋梗塞のリスクは少なからず問題視されていました。

手術の精度が上がるにつれ、出血リスクを伴う薬剤の休薬の必要性もなくなりつつあります。
侵襲度が低い手術では、抗血小板薬などは継続したまま行うようになりました。

患者さんは手術と聞くと、さらさらの薬をすべて自己判断で中止してしまう傾向にあります

患者さんの誤った知識による危険な判断や行動を避けるため、薬剤師は薬剤の継続可否をその医療内容に合わせて適切に判断し、提案していくことが求められています。

病院の違いによる仕事内容の違い

薬剤師の仕事内容や役割は、病院の種類によって大きく異なります。
ここでは、病院の規模と種類に焦点を当ててご紹介しましょう。

病床数の違いによる病院薬剤師の役割の違い

病床数の違いは、薬剤師の役割に大きな影響を与えます。
病床数の違いによる薬剤師の役割の違いをみてみましょう。

病床数が多い病院での薬剤師の役割

病床数が多い病院は総合病院であることがほとんどです。
総合病院に勤務する薬剤師には、総合的な知識な技能が求められます。

総合病院の薬剤師は、偏った知識ではダメです。消化器や泌尿器、産婦人科など、様々な治療に精通する必要があります。

総合病院にいる医師は、専門分野には非常に秀でていますが、ほかの領域には研修医レベルであることも少なくありません。

薬剤師はジェネラリストとして、医師の専門領域でない部分を補う役割が求められます。

病床数が少ない病院での薬剤師の役割

病床数が小さい病院とは専門病院を指します。
専門的療科(脳外科や消化器内科)は、規模は小さくとも専門的な治療が提供されています。
薬剤師にはジェネラリストのような広い知識より、スペシャリストのような専門的知識が求められています。

専門病院の薬剤師は、専門的知識を用いた薬剤の選択や決定、医薬品添付文書に記載が無いような知識を用いた服薬指導などを行う必要があります。
医師の処方した薬に対して服薬指導を行うという、一連の流れでは関わることのできない重要な役割を担うことになります。

難病疾患指定されている炎症性腸疾患は、消化性潰瘍やピロリ菌など一般的な疾患と比べると数が少ないことが特徴です。治療法に詳しくない薬剤師も珍しくありません。

難病と言われる疾患に対して専門的な知識を有していることが、専門病院の薬剤師の強みであり、役割でもあります

このように、薬剤師は病床数などの規模に応じて求められる役割が大きく異なります。

病院の種類による仕事内容の違い

病院の種類によって薬剤師の仕事内容は大きく異なります。

個人クリニックレベルと大学病院クラスの病院では、提供する医療の内容が大きく異なります。
これに伴って薬剤師の仕事内容にも違いが発生します。

個人クリニックでの薬剤師の仕事内容

個人クリニックでは、主に慢性期疾患を扱うことが求められており、薬剤の変更などもあまりありません。
薬剤師にはミスがないような調剤や、患者さんの服薬支援に重点が求められています。 

大学病院クラスの病院での薬剤師の仕事内容

病床数が大きい病院は、急性期治療が求められているため、患者さんの状態が1日1日で大きく変わることも少なくありません。処方の内容は日々変わっていきます。

日々変わる処方内容はその患者さんに対して適切な調整を行っている結果です。しかし、医師の業務過多などの理由から間違って処方されることもしばしばあります。
基礎疾患として元々罹患している病気は、入院診療科の医師の専門外であることが多いです。知らず知らずのうちに誤った医薬品の使い方をしている医師も少なくありません。

急性期治療に携わる薬剤師には、医師の処方支援が必要不可欠です。

薬剤師の仕事内容は、病院の種類に応じて大きく異なる傾向があります。
薬剤師が行っている調剤や服薬指導という仕事に違いはありませんが、病院の種類によって仕事の質が異なります。

病院薬剤師に人気のある仕事・人気のない仕事

病院薬剤師に人気のある仕事・人気のない仕事にはどのようなものがあるでしょう。

人気のある仕事


薬学部における6年制教育の大部分を占める病棟業務はとても人気の仕事です。

病院薬剤師の一番の花形の仕事といえます。他職種との関わりも多く、薬剤師として働く上でやりがいを感じることができます
病棟業務では、服薬指導で得られた情報を医師や看護師に提供します。医師には治療効果や副作用状況を報告し、情報を基にした処方提案に繋げることができます。
看護師には、薬剤の観点からの看護を呼びかけることで、副作用の早期発見に繋がるモニタリングの視点を伝えて看護の質向上に寄与しています。

薬剤師として知識を十分に発揮できる病棟業務は一番人気といって問題ないでしょう。

人気のない仕事


調剤などを行う中央業務は今一つ人気がない傾向にあります。

薬剤部の奥でこじんまりと業務をするのを嫌う薬剤師は多いです。
病院の奥の部屋で地味に調剤ばかりするのは、正直息が詰まってしまいます。他の職種の目につかず「何をしているの?」など言われることもあり、仕事内容を理解してもらえない苦労もあります。

薬剤師の中心的な業務であるはずの中央業務は、その大切さの半面理解を得られにくく人気がありません。

他職種からの理解を得ることが難しい中央業務は、人気のない業務トップに君臨します。

まとめ

調剤薬局での勤務経験しかない薬剤師さんにとっては、病院薬剤師の仕事内容の多彩さに驚かれたのではないでしょうか。
病院薬剤師の知識を生かした他職への情報提供は、医療の質を格段に上げることができます。

診療報酬に認められた薬剤師外来は、病院薬剤師の価値の向上を表しているといっても過言ではありません。
それだけでなく近年では、病棟業務薬剤業務実施加算が算定できるようになりました。服薬指導から処方の確認・提案・立案、抗がん剤・高カロリー輸液のミキシングなど、薬剤師の仕事内容と活躍の場はますます広がっています。

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ゆっきー

個人経営の調剤薬局に就職後、スキルアップのため大学病院⇒中規模病院へと転職。患者様に役立つ薬剤師を目指し、現在は薬物療法専門薬剤師の資格取得を目指す。

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